ロシアのショイグ国防相がカイロを訪問し、エジプトとロシアは相互に、相手国の空軍基地を、使用することが合意された。このことは、地域全体にとって、大きな状況の変化であろう。
エジプトとロシアは、今回の合意が成立したことで、5日前に連絡すれば相互に、空軍基地を使用することが、可能になった。合意期限は5年だが、再延長も可能、とされている。
ロシアはシリアを支援しているわけであり、エジプトは反シリアのサウジアラビアと、良好な関係にあるが、今回の合意はどうこの問題に、影響するのであろうか。
今回の合意に至る前には、ロシアのメドベージェフ首相が、ショイグ国防相に対して、エジプトと交渉するよう、11月28日に指示した、と言われている。それが今回のカイロ訪問で、実を結んだということであろう。
ロシアはシリアに進出して以来、中東地域で大きな軍事プレゼンスを、確保するようになっているが、今後はエジプトとの合意で、より一層拡大していく、ということであろう。
ロシアはエジプトが支援している、リビアのハフタル将軍との、協力関係推進も進めており、すでにリビアで軍を展開している。これはアメリカの情報によるものだが、現段階でロシアはリビアでの、自軍の展開を否定している。
この合意はアメリカにとって、ショックであったろう。シリアでの成功以来、ロシアは明確に中東諸国での、存在感を示すようになったからだ。親米のはずのサウジアラビアでさえも、ロシアのS400の輸入交渉を進め、その他の武器の製造もロシアとの協力の下で進めたい意向だ。
そして、中東の軍事大国であるトルコも、アメリカとの対立が拡大する中で、ロシアとの関係強化が図られている。このままでいけば、アメリカは中東の足場を失っていくことになろう。