トルコのエルドアン大統領はいま、まさに窮地に追い込まれている、という状況にあろう。トルコ国内では野党第一党のCHP党のクルチダウール党首が、エルドアンファミリーの海外隠匿金の話を、明らかにしたのだ。
何百万ドルという金がタックス・ヘイブンに、送られたと言ったのだ。これに対してエルドアン大統領は、『クルチダウール党首は国賊だ。』と非難しているが、あまり効果はあるまい。エルドアン大統領は『海外に小金でも、隠匿していることが明らかになれば自分は大統領を辞める。』と見えを切って見せたが、誰も信用していない。
加えて、アメリカはYPG(クルド組織)に、武器を供与することを止める、とエルドアン大統領に約束したにもかかわらず、その6時間後には大量の武器を、YPGに送り付けている。つまり、エルドアン大統領のとの約束など、トランプ大統領は歯牙にもかけなかった、ということだ。
多分、アメリカとの話は武器供与を止める、と言ったのではなく、アメリカは検討すると言ったのであろう。しかし、トランプ大統領とこの問題で、話し合えたことを大きくし、エルドアン大統領は話がついた、とトルコ国内で公表したのであろう。
こうしたエルドアン大統領の虚言癖は、以前から続いているのだが、それは、エルドアン大統領の信用を失わせることに、なるのは明らかであろう。アメリカだけではなく、ヨーロッパ諸国との関係でも、同様であろう。
アメリカとトルコとの関係が悪化する中で、トルコの経済は目に見えて、悪化しているようだ。トルコ・リラはドルに対して、3・979リラに達し、もうすぐ、4リラになるのではないか、と懸念されている。
こうしたトルコ経済の悪化は、レザ・ザッラブ問題も大きく影響している。彼の証言次第では、トルコがアメリカの経済制裁の、対象国になるからだ。そうなれば、米からのトルコへの投資は止まってしまうだろう。トルコの経済は自転車操業であり、外国からの投資や借入金で、運営できているからだ。
ある私の読者が『トルコのエルドアン体制はファイナル・カウントダウンですか?』と言ってきたがそうではなかろうか。国内では暴政、妊婦が出産すると、刑務所に閉じ込める。刑務所内での拷問による死者の数は200人を超えており、人道という言葉などどこにもないのが、トルコの現状のようだ。
1000人を超える逮捕者の行方を、政府は説明していないことから、彼らは殺害されたのであろう、と言われている。一説によれば、エルドアン大統領はマフィアを使って殺害し、死体は海や山に捨てている、ということのようだ。