『バハレーンの緊張はサウジイラン関係から』

2017年11月27日

 

 バハレーンでは精神的シーア派のリーダーである、シェイク・イーサ・カースム師が自宅軟禁状態に置かれている。高齢の彼の健康状態は、決して良くなく、病院での治療が必要なのだが、自宅を離れることはできない。 

 彼に先立ちもう一人のシ-ア派のリーダーであるシェイク・アリー・サルマン氏も逮捕され、4年の刑を宣告されている。それ以外には人権活動家のナビール・ラジャブ氏も逮捕され、2年の刑が宣告されている。

 彼らはみな2011年に始まった、政府に対する抗議運動の、関係者リーダーたちなのだ。彼らは公正な議会によって、国家は運営されるべきだ、と主張していた。

 バハレーンは王家がスンニー派であるが、大半の住民はシーア派であり、スンニー派国民とシーア派国民に対する、対応の差別がひどいことに、国民の不満は起因している。こうしたことは、イギリスが仕組んだものであり、バハレーン王家は永久に、イギリスに頼らなければ、ならなくなる仕組みだ。

 バハレーン政府は今回の逮捕などで、カタールに対して情報提供をしていた、ということだが、つまり逮捕者たちはカタールのスパイだった、ということだ。

 それが何故いま持ち上がってきたのかといえば、サウジアラビアとイランとの緊張によろう。サウジアラビアはイランと戦争を、覚悟し始めているようだが、そのきっかけはカタールであり、バハレーンだということだ。

 バハレーンはコーズウエイ橋で、サウジアラビアと繋がっており、他方、カタールは海底ガス床で、イランと繋がっているのだ。アメリカにしてみれば、サウジアラビアとイランとの関係が、緊張の度を増していくことを、歓迎するであろう。

 もし、サウジアラビアとイランとの間で、戦争が起これば、双方の石油施設は、大被害を受けるのは明らかだ。その後の再建はアメリカ企業が、引き受けよう。まさにトランプ式ビジネス展開、外交工作ではないか。