サウジアラビアが石油大国の看板を下ろし、ついに、地獄に変わったのではないか、と思えるような情報が、伝わってきている。日本の他の中東研究者も取り上げているのだが、反体制と思わしき人物が、多数逮捕されているのだ。
彼らの収監先は、リッツ・カールトン・ホテルであることから、対外的には特別の待遇のように思えるのだが、どうもそうではないようだ。この逮捕者たちの中には、11人の王子や元閣僚、政府高官も多数含まれており、一説によれば200人以上が捕まっている、ということだ。
逮捕の名目は汚職追及ということなのだが、どう考えても権力闘争ではないか、と思われる。ムハンマド・ビン・スルタン皇太子に反発する輩を、全部まとめて逮捕した、ということであろう。なお、彼ら逮捕者の銀行口座は、2000口座が、凍結されたということのようだ。
逮捕された者たちは、五つ星のリッツ・カールトン・ホテルの中で、毛布にくるまって寝ているようで、その写真がネットを通じて、報じられている。彼らはホテルの大ホールのようなところで、雑魚寝しているのだ。
それでもまだ彼らは安全なのだ。実はムハンマド・ビン・サルマン皇太子が、アメリカの軍ロジ会社、以前のブラック・ウオーター社に拷問の依頼契約を、したというのだ。
ブラック・ウオーター社は現在では、アカデミア社に名前を変えており、ブラック・ウオーター社はそんな契約は結んでいない、と否定している。だがそれは事実ではあるまい。イギリスのデイリー・メイル紙が詳細な記事を、掲載しているのだ。
ムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、逮捕者たちと穏やかに話した後、拷問を命令しているというのだ。その拷問の内容は逆さ吊りや、罵倒などによる侮辱、殴打といったもののようだ。王子の中にはムハンマド・ビン・サルマン皇太子に会いに行ったまま、戻らない者もいるそうだ
以前、王子の一人がイエメン近くで、飛行機事故によって死亡した、というニュースが流れたが、彼は生存しており、獄中にあるともいわれている。新たな逮捕者の中からも、死者が出たという情報もある。
そもそも、今回の逮捕劇は、クーデターの疑いであったわけであり、狙われたムハンマド・ビン・サルマン皇太子が、処刑をしても不思議はあるまい。もし、打つ手が遅れていたら、彼が殺されていた可能性が、高いからだ。
リッツ・カールトン・ホテルの外の警備は、サウジアラビア軍が行い、ホテル内部はブラック・ウオーター社の、社員が行っているということだ。つまり、拷問の様子はサウジアラビア人には、見せないということであろうか。
述べるまでもなく、サウジアラビア人が拷問の様子を見ていれば、その状況はやがて外部に漏れるからだ。そうなれば、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子に対する反発が、サウジアラビア国内で、広がる危険があろう。