『トルコが対エジプトでスパイ行為問題化』

2017年11月23日

 

 トルコがエジプトで、スパイ行為をしていることが、エジプト政府の情報部によって、突き止められた。その結果、29人のスパイが逮捕され、これから細かい取調べが、行われることになった。

 彼らスパイのメンバーの多くは、外国に亡命者として住んでおり、外国のテロリスト組織とも関係を持っている。彼らは電話の盗聴を行い、エジプト国内情勢を調べると共に、反政府的な人材を探しているようだ。

 また、このスパイ組織のメンバーは、マネー・ロダリングや、非合法な通貨の、取引も行っている。そして、彼らはムスリム同胞団によって、支援されている、ということだ。

 トルコの情報部とエジプトの反政府組織である、ムスリム同胞団は協力してエジプトの国内体制を、不安定化させ、体制転覆と権力の奪取を狙っている。それは、トルコのエルドアン大統領とムスリム同胞団政権のモルシー元大統領との関係が、極めて緊密だったからだ。

 エルドアン大統領は何度と無く、エジプトのシーシ大統領の体制を、非難してきてる。そして、トルコ政府はエジプトの国内問題に介入し、反体制テロ組織を支援してきていた。また、多くのムスリム同胞団のメンバーを、トルコ国内に受け入れ、匿ってもいる。

 トルコにはムスリム同胞団支持のテレビ局もあり、シーシ大統領とエジプと政府非難の報道を、繰り返している。

 今回のニュースで、いまトルコとエジプトとの関係が、どのレベルにあるかが分かろう。完全に敵対する関係になっている、ということだ。それが何故いまの段階で、出てきたのかということについては、トルコとエジプトの国内状況、国際関係を考えなければなるまい。

 単純に考えると中東諸国はいま、親アメリカ・イスラエル・ヨーロッパ側と、親ロシア・イラン・中国側に、二分されつつあるということだ。エジプトはアメリカやイスラエルと組み、トルコはロシアに接近している。

 カタールを除くほとんどのアラブ湾岸諸国も、アメリカ寄りであり、イスラエル寄りになっている。つい最近、クウエイトの記者はイスラエルの西岸地区への侵入を、正当化する記事を書いている。曰く『イスラエルは正統な国家であり、占領者ではない。』これは完全にパレスチナの主張を否定する内容だ。

また、ロシアのソチで開催されたシリアをめぐる会議では、トルコ・イランがロシアに協調する姿勢を、明らかにしている。