11月21日にトルコの通貨リラが、アメリカ・ドルに対して、大幅に下げた。その理由はアメリカとトルコとの関係が、悪化したことによるとみられている。これではトルコの経済に、大きな影響が及ぶことも、懸念せざるを得まい。
例えば、すでにガソリンなど燃料価格が高騰し始めているが、これは運輸に直接的な影響を与えることになり、国際貿易で陸送に大きな部分を、依存しているトルコとしては、苦しい状況になるということだ。
そもそもの、アメリカとトルコとの関係悪化には、イラン生まれのトルコ人金取引業者である、レザ・ザッラブ問題がある。彼の裁判がもうじき始まろうとしており、それはトルコ政界を、震撼させるものとなりかねない。
トルコ・リラはドルに対して、ついに3・978まで下がった。同じようにトルコ・リラは、ユーロに対しても下げており、いまのレートは、4・6711に達しているのだ。
こうしたことから、銀行金利にも変化が生まれ、いまでは12・25パーセントにまで、上がっている。
これまで、トルコ政府は中央銀行に対して、金利を据え置くよう、指示してきていたが、トルコ・リラの大幅な下落は、これ以上の金利据え置きを、許さなくなった、ということであろう。
今後予測される単純な影響は、輸入物資の値上がりであろう。燃料価格が高騰すれば、経済全体に悪影響を及ぼし、外国からパーツを輸入して製造する分野でも、悪影響が出て来よう。トルコ政府には有効な策は無いだろう、と思われる