NO4750  11月20日 『パレスチナ自治政府アメリカに怒り』

2017年11月19日

 パレスチナ自治政府はアメリカに対する、怒りを顕わにしている。それは、アメリカの和平への対応に、問題があるとするからだ。アメリカはパレスチナ自治政府に対して、イスラエルとの意味のある交渉を、再開しろと言ったのだ。

 パレスチナ自治政府は2014年以来、まともな交渉をイスラエル政府との間でやっていないが、その原因は、イスラエル側が一方的に進める、不法なパレスチナ領土への入植問題があるからだ。

 これまで、パレスチナ自治政府はイスラエルに対して、入植を止めるよう何度も、繰り返し要求してきたが、未だに入植は止まず、パレスチナ領土の多くが入植地として占領され、そこにはイスラエル人が居住する、住宅が立ち並んでいる。

 アメリカ政府はそうした、パレスチナ自治政府側の要求を無視し、イスラエルの要求に応え、意味のある交渉を始めなければ、パレスチナ自治政府のワシントンの事務所は閉鎖する、と言い出しているのだ。

 これに対して、パレスチナ自治政府側は全てのアメリカ政府との交渉の窓口を、閉鎖することもありうる、と強硬な対応をすることになった。この強硬発言はパレスチナ側の交渉責任者である、サエブ・エレカト氏が語ったものだ。

 アメリカ政府は今後90日以内に、パレスチナ自治政府がイスラエル側と、意味のある交渉を再開するのであれば、ワシントンにあるパレレスチナ自治政府の事務所が、閉鎖されることは無い、と語っている。

 どうもこの話は、広い範囲で考えないと、実態がつかめなそうだ。サウジアラビアとイスラエルとの関係が促進し、両国の外交関係が始まることも、近いだろうと思われているなかで、他方、パレスチナ自治政府はアメリカによって、追い込まれる形になっているということは、二つの問題には何らかの関係が、あるということではないか。

 トランプ大統領は、有無を言わせずに、パレスチナ問題で何らかの進展を実現したい、と考えているのかもしれない。そのひとつは、サウジアラビア側に対して、パレスチナ自治政府に対する支援を、止めろという要求なのかもしれない。

 サウジアラビアにしろ、イスラエルにしろ、アメリカにしろ、トルコにしろ、EUにしろ、このところ乱暴な発言が、目立つような気がするのは、私だけであろうか。EUは射撃訓練の的に、トルコの英雄アタチュルクの写真を、使ったというのだから話にならない。加えてエルドアン大統領を、中傷してもいるのだ。

勿論、エルドアン大統領はこのEU側の対応に激怒し、NATOのノルウエーでの海軍合同訓練を、ボイコットしている。世界はヒステリックな時代に、突入しているのかも知れない。