『イランイラクの地震被害甚大』

2017年11月14日

 イランとイラクの北部で起こった、地震は大きな被害と、犠牲を生んでいる。当初は二桁だった死者の数が、あっという間に300人台弐にのぼり、遂には400人を超えた、という発表があった。

 犠牲者の多くは、イラン側北西部のようで、この地域では250人程度の犠牲者数と、数百人の負傷者の数が、公表されている。多分に石を積み重ね、簡単にセメントで固めた家屋であったために、被害が大きくなったものと思われる。

 イラク側ではいまのところ、死者数は二桁だが、瓦礫の下から犠牲者が出てくれば、百人単位になるかもしれない。ただ、イランに比べ人口が少ないことが、イラク側の犠牲者数を、小さくしたのかもしれない。

 インターネットで送られてくる画像を見ていると、高層建築は瓦解し、平屋建ての家は完全に潰れている。不安そうにその瓦礫の隙間を、ライトで照らし家族を探しているらしい、老人の写真が痛ましい限りだ。

 トルコはイラクに対して、いち早く支援物資を送り始めているし、イランに対しても、お見舞いのメッセージを送っている。それ以外の国からの支援も、始まっているものと思われる。

 このイランとイラクの北部地帯は、主な住民はクルド人であろうと思われるが、クルド人には気の毒な話だ。つい最近、北イラクのクルド住民が、独立投票を行い、それはトルコやイランなどに反対され、アメリカにも反対され、イラク政府から圧力がかかって、流れたばかりだ。

 クルド自治政府は今回の地震への救援と、再建を考え始めているのであろうか。あるいは未だに、権力闘争の最中にあるのであろうか。そしてイラク政府は、どう対応するのであろうか。

 このイランとイラクの地震被害地域は両国の北部であり、山岳地帯でもあろうから、相当に冷え込みが厳しくなってきているものと思われる。地震後に寒さと食料不足から、新たな犠牲者が出る危険性もあろう。