トルコのエルドアン大統領は、トルコがオスマン帝国であったことが、余程誇りなのであろうか。自称ネオ・オスマン帝国の皇帝というエルドアン大統領は、世界の大国であるアメリカとロシアを敵に回して、喧嘩をする意向のようだ。
現在、トルコとアメリカとの間では、ビザ問題をめぐり、激しく対立している。アメリカがトルコに対し、ビザの発給を停止したことに対し、トルコもアメリカに対する、ビザの発給を停止した。
アメリカはこのビザ問題が、軍事面では何の支障もきたさない、と語っているがその通りであろう。在トルコ・アメリカ大使は『ビザ問題が何時まで続くのか分からない。』と語っている。
エルドアン大統領は怒り心頭で、『アメリカ大使を首にしろ』と怒鳴りまくり、『彼とは会わない』とも言っている。しかし、このビザ問題で困るのは、アメリカではなく、トルコの側であろう。ユルドルム首相は何とか、問題解決の糸口を、見つけたい意向のようだ。
アメリカは既に幾つもの軍事基地を、シリアとイラク国内に設立しているので、その気になれば、何時でもトルコのインジルリク空軍基地から、撤収することが出来よう。いまアメリカ軍がトルコに残留しているのは、トルコに対する攻撃を想定してではないのか。
同じように、トルコはアメリカ同様に、ロシアとの間でも、トラブルを起こしている、こちらは、ロシアから購入する契約を結んでいた、S400ミサイルに関係している問題だ。エルドアン大統領はS4500を購入することに合わせ、同ミサイルの技術を供与して欲しい、という意向のようだ。
しかし、ロシア側は世界的に最も進んだ技術の、結晶とも言えるS400ミサイルの技術を、そう簡単にトルコ側に渡すつもりは無い。トルコ側は技術供与がなされれば、トルコでコピーを生産して輸出し、儲けたいということであろう。
以前、三菱重工の戦車の輸入をめぐっても、トルコ側がコピーを造ることを恐れ、商談は破棄された経緯がある。
エルドアン大統領は『ロシアが技術供与しないのであれば、商談は破棄される。他の国に当たればいいだけのことだ。』と息巻いているが、S400のレベルのミサイルは、何処が製造出来るというのだろうか。
途上国は先進国に対して、技術移転、技術供与ということを、軽々しく要求するが、その開発に、どれだけの時間と費用と努力が、払われているのかを、無視している。韓国もその典型であろう。
そうした国の技術は模倣の繰り返しであり、独自の努力が無くては、技術の進歩は偽物でしかないために、頭打ちになろう。エルドアン大統領はあせることなく、じっくりと腰をすえて自国の技術レベルの向上を図るべきであろう。
闇雲に大国に喧嘩を売ることは、自滅に繋がることを、忘れるべきではなかろう。また、北朝鮮のように核兵器の保有に、色気を出すことも、危険極まりなかろう。エルドアン大統領なら、やりかねない懸念がある。