NO4731 11月1日 『バノンがエルドアンのトルコを非難』

2017年10月31日

 

 アメリカのトランプ政権で、戦略研究所の所長をしていた、ステイブ・バノン 氏がトルコ政府と、エルドアン体制を激しく非難している、というニュースが伝わってきた。

 彼は『アメリカにとって、トルコが最も大きな、危険ファクターだ。』と語ったというのだ。その危険度はイランも、比較にならない程だ、ということのようだ。トルコの国内で、エルドアン大統領が何をしているか、アメリカ国民は分かっていない。だから厳しく言うのだ、ということだ。

アメリカのトランプ大統領が、サウジアラビアを訪問した後、間もなくサウジアラビアはエジプト、アラブ首長国連邦、バハレーンなどに呼びかけ、カタール包囲網を構築した。

 ステイブ・バノン氏によれば、カタールも北朝鮮同様に、危険な国家であることを、アメリカ国民は知るべきだ、と主張している。カタールはイスラム過激派や、テロリストを支援しているが、それにはトルコも加わっており、カタール・トルコ両国は、このことで連携しているのだ。

 しかも、トルコはサウジアラビアに対して、カタールに向けている制裁を、解除するべきだ、と主張してもいる。だか、そのトルコの提案は、完全にサウジアラビアを始めとした、アラブ4か国に無視されている。

 しかし、トルコはカタールに対する、対応を変えるつもりはなく、トルコ議会でも、カタールとの軍事協力が、承認されている。

 このステイブ・バノン氏の発言は・明確なアメリカの反エルドアン発言であり、この時期に、アメリカがトルコに対して、敵対的姿勢をとったことが、明らかになったのは、それなりの重みがあろう。

 アメリカはこのステイブ・バノン氏の発言の後、どのような手を打ってくるのであろうか、それは述べるまでもなく、エルドアン大統領にとっては、すこぶる不都合なものとなろう。