バハレーンはアメリカの第5艦隊の、母港であるにも関わらず、ロシアから兵器の購入を決め、加えて、 S400の購入交渉を進めている。これではアメリカとの関係は、どうしようというのだろうか、と心配になるほどだ。 アラブ湾岸のもう一つの、アメリカ軍の拠点であるカタールも、ロシアから各種兵器の、輸入交渉を進めている。いま話題のS400ミサイルに加え、戦車に加え、各種の大砲なども購入予定だ。 カタールは今週水曜日に、セルゲイ・ショイグ国防相を迎え、ムハンマド・アテッテイヤ国防大臣が交渉し、合意に至った。合意の内容はS400を含む、対空パンツアー・ミサイル、軽武装車両、対戦車砲など、巨額に上るものだった。 カタールに限らず、最近ではアラブ湾岸諸国のほとんどが、ロシア製兵器の性能を、高く評価するようになり、入手を望んでいる。カタールの場合は兵器輸入に加え、軍事技術協力合意も、交わしているのだ。 カタールと敵対する関係にあるバハレーンも、ロシアとの関係を強化しており、バハレーン王立ガードのトップである、ナスル・ハリーファ氏は『バハレーンとロシアは軍事面で協力関係を構築し、交渉するに至っているし、トップ同士の関係も、強まっている。』と語っている。 カタールはサウジアラビアとの関係が、悪化するなかで、イランとの関係が強まっているが、そのイランの背後には、ロシアがいるのだ。従って、カタールがイランに接近すれば、おのずとロシアとの関係の、窓口が開かれる、ということであろう。 カタールの要人がイランを訪問すれば、イラン側は同国の持つ兵器を、見せることにより、間接的にサウジアラビアなどに、警告を送ることになる。そうなると、カタールはイランの兵器の多くが、ロシア製かロシアの技術支援を、受けているものであることから、自国にも取り入れたくなるということだ。 問題は、こうしたカタールを始めとする、アラブ湾岸諸国のロシア兵器への、関心の拡大と輸入が、アメリカとの関係に、どう影響を与えていくか、ということだ。そして、カタールにあるアメリカ軍の基地は、カタールを捨てサウジアラビアに、戻るのかという点だ。
NO4728 10月28日 『カタールがロシアに急接近・大量の兵器購入』
2017年10月27日