NO4727 10月27日 『トルコ・リラ暴落の主因はマネー・ロンダリングか』

2017年10月26日

 今週の水曜日、トルコの金融市場では、トルコ・リラの暴落が記録された。それまでトルコ・リラはドルに対して、35から36の範囲で動いていたが、38を瞬間的に記録し、その後376で定着し始めているのだ。

 このことについて、トルコ政府高官はトルコと、アメリカとの関係が悪化し、相互にビザの発給を停止した状態が、続いていることなどからきているのだろう、と語っているが、どうもそうとは思えない。

 今回のトルコ・リラの下落の主因は・アメリカがトルコとイランとの間で行われていた、金の取引やマネー・ロンダリングに、関わるものではないか、と思えてならない。それはレザ・ザッラブなる人物(イラン生まれイラントルコ国籍保有者)の、事件に関わるのではないか、ということだ。

 既に、アメリカ筋はトルコのハルク・バンクに対して、50億ドルの罰金を果たす方向であることを、明らかにしており、他の5行についても、金額はハルク・バンクへの罰金に比べて少ないが、罰金を果たす方向だ、といわれている。

 問題は銀行に対する罰金よりも、レザ・ザッラブ氏の裁判が、今後どう展開するかにかかっている。このイランとトルコとにまたがる、マネー・ロンダリングや金の取引問題は、実はエルドアン大統領がどっぷりつかっており、彼の家族のほとんどが、関わっているのだ。

 裁判が進むにつれて、エルドアン大統領と彼の家族の首にかけられた、ロープは締まって行く危険性が、あるということだ。その事を熟知しているエルドアン大統領は、トルコ国民の前では、問題を隠蔽するために、ギュレン・グループのクーデター関与問題と、ギュレン氏の引渡しをアメリカ政府に、強く要求している、と語ってきたしそうしてもいた。

 実際には、エルド大統領はアメリカとの間で、レザ・ザッラブ氏の釈放と、引渡しを第一に要請していたのだ。その事によって、イランとの間で行われていた、スキャンダルを問題化せずに済む、と考えているのであろう。

 しかし、賢いトルコ国民は、アメリカが何を考えているかを想像し、レザ・ザッラブ氏問題が、今後、大きな問題になっていくことを予測して、ドル買いに走っているのかもしれない。訪米ビザが出難くなっているなかでの、旅行者のドル買いは起こらないし、トルコ政府は貿易でも、自国通貨に切り替えることを、他の多くの国と合意してもいる。つまり、いまの段階では、大量のドルが買われる、さしたる理由は無いのだ。

 レザ・ザッラブ問題は遂に、最終段階に入ったのであろう。その事は、エルドアン大統領の立場がますます、厳しいものになっていく、ということであろう。ヨーロッパとの関係が劣悪になっており、アメリカとの関係も、トルコ政府のロシアやイランとの関係改善で、悪化の一途をたどっている。