アメリカがイラクのクルドを、支援し始めたのは、1960年代の後半から、1970年代であろうか。イラクの体制と対立していたアメリカは、クルドを利用してイラクへの介入を、強化していたということだ。
イラクのクルドは、サダム体制からの弾圧の下で、アメリカのスパイとして活動していた、ということだ。そして、イラクのクルドを支援していたもう一つの国はイスラエルだった。イスラエルにしてみれば、『敵の敵は味方』という発想だったのであろう。
シリアでもアメリカが一番支援したのは、クルドの部隊であり、今回進められている、ラッカからのIS掃討作戦でも、クルドを中心とするSDFが、主力となっている。その作戦は成功裏に進み、ラッカからのIS掃討作戦は、ほぼ終了した形になっている。
いまイラクでは、キルクークの支配をめぐり、クルド自治政府とイラク政府が、武力衝突の一歩手前にあるが、アメリカはどう動くのであろうか。アメリカはこの緊張のなかで、中立の立場を採ることを、決めたと言っている。
実はアメリカは中立ではなく、クルドを支援する意向のようだ。イスラエルからの情報によれば、アメリカはイラク軍がクルドに対して、攻撃を加えた場合には、イラク軍を攻撃する、と語っているのだ。
これはアメリカが今後も、クルドを自国の道具として使っていく、ということの意思表示であろう。またその必要は、何処にあるのかといえば、イラク政府に対する圧力であり、イランをも伺う、ということではないのか
今回のアメリカのクルド支援の発表は、アメリカの本音がばらされた、ということであろうか。それはトランプ政権の情報管理が、ずさんなためなのか、あるいはアメリカには、迎える国は無いという、傲慢な姿勢から出たものでであろうか。