NO4704 10月4日 『斬首するISも自分の命は惜しい』

2017年10月 3日

 

 敵の兵士や市民の首を切り落とす、斬首刑を実行してきた、IS(ISIL)のメンバーも、いざ自分が殺されるかもしれない立場、状況に追い込まれると、命が惜しいらしい。敵に捕まったIS(ISIL)のメンバーが、間抜けというか、だらしの無い言い訳をして、命乞いをしているようだ。

 イラクのハウイジャが、イラク軍の手によって奪還されると、多くのIS(ISIL)のメンバーが逃げ出し、キルクークに向かったようだ。彼らがキルクークに逃れたのには、意味がある。

 ハウイジャにいて、イラク兵に捕まれば、イラク兵のほとんどが、シーア派であることから、スンニー派であるIS(ISIL)のメンバーが、イラク軍に捕まればどんな仕返しをされるか、気が気ではなかったようだ。

 このため、スンニー派であるクルドのペシュメルガの元に、逃げ込んだということであろう。そこでは当然のことながら、人定が行われ、戦争犯罪に関与していたか否かが、調べられる。

 後ろ手に縛られた、IS(ISIL)のメンバーたちは、女子供のIS(ISIL)メンバーと共に、投降してきたようだが、床に膝まづかせられ、尋問に答えている。なお、IS(ISIL)の男女は、別々に収容されているようだ。

 その尋問のなかでの、IS(ISIL)のメンバーの答えが振るっているので、ご紹介することにした。

問い:お前はIS(ISIL)のメンバーか?

答え:いや違います、私はIS(ISIL)の戦闘員の、食事を作るコックをしていました。

問い:IS(ISIL)にはハウイジャだけで1万人を超えるコックがいたのか??(投降したISメンバーの多くがコックだったと答えている)

答え:、、、、、。

問い:お前は斬首に加わったのか?

答え:斬首は加わっていないし、見たこともありません。(ISは斬首刑を見るよう強要していた)

 ペシュメルガの仕官は尋問のなかで、IS(ISIL)の戦闘員のほとんどが『俺は農民だ』『俺はコックだ』と答えることに、苦笑しているということだ。しかし、やがては調書が出来上がり、IS(ISIL)メンバーのリストも出来上がり、そのような嘘は通用しなくなるだろう、ということのようだ。

IS(ISIL)のメンバーでないことが、明らかになった者については、家族と合流することが出来るようだ。だが、未だに3000人のIS(ISIL)の戦闘員が、ハウイジャには残っているようだ。クルドのペシュメルガは、出来るだけ多くの情報を、この投降者たちから得たい、と思っているようだ。

有罪と目されるものは、裁判で公正な判決を受けることが出来る、だから正直に答えろ、と語っている。そうは言われても、IS(ISIL)のメンバーにしてみれば、そう簡単には、ペシュメルガを信用できない、ということであろう。

 ハウイジャのIS(ISIL)の戦闘員の多くは、イラクのスンニー派国民であることから、その事に対する配慮もあるのであろうし、場合によってはIS(ISIL)から抜け出してきた投降者たちを、将来のイラク・シーア派軍との戦闘に、クルドのペシュメルガは雇い入れることも、考えているのかもしれない。