ドイツの兵器メーカーであるヘックラー・アンド・コッチ社は、イスラエルやサウジアラビアに、兵器を輸出しないことを決めた。これは、イスラエルがガザで、既に2200人を殺していること、サウジアラビアがイエメンで、12000人以上を殺していることから、出された判断だ。
イエメンでは2015年以来、サウジアラビア軍が、病院や学校、工場などインフラを、破壊してもいる。
これら二国以外にもエジプト、アラブ首長国連邦、インドネシア、マレーシア、トルコなどにも輸出しない方針だ。こうした判断は相手国の、民主化の度合いや、経済的状況などを加味した、判断と見られている。
ヘックラー・アンド・コッチ社は1955年以来、兵器の輸出を行っているが、その同社が製造した兵器で、世界中で200万人が死亡し、500万人が負傷した、と見られている。
ヘックラー・アンド・コッチ社は今回の決定について、国内の平和団体の圧力によるとしている、また、ドイツの兵器製造各社は、わが社はヘックラー・アンド・コッチ社のようにはなりたくない、我々のモラルのほうがましだ、と言っているということだ。
今回のヘックラー・アンド・コッチ社の決定が、ドイツだけではなく、世界の兵器メーカーに、いい影響を与えることを、願うばかりだ。しかし、世の中はそうは甘くなく、同社の輸出停止で開いた穴を、埋める競争が始まるのであろう。