『留学組はスパイになる危険性があるとエルドアン』

2017年9月22日

 

 エルドアン大統領は欧米に留学した者の多くが、その地の文化に犯され、最終的には相手国のためにボランテアで、スパイを働くようになる危険性がある、と語った。この危険極まりない発言は。アメリカのニューヨークに本部を置く、トルコ・ファウンデーションの夕食会の折に、語られたものだ。

エルドアン大統領は留学したトルコ人の若者たちは、結果的に相手国政府に奉仕したり、相手国企業で働き、あるいは相手国の機関で、働く場合が多いとし、彼らはその所属する組織のために、尽力するということだ。
 この発言は多くの留学組が、結果的には相手国の国籍を取り、帰国しなくなる実情を問題視しているためであろう。これまでも、トルコでは頭脳流出が何度も、マスコミで取り上げられてきていた。
 加えて、留学してその国に居住するようになった、トルコ人の多くがギュレン支持者になっていることにも、今回のエルドアン大統領の発言の、原因があろう。
 さて今回のエルドアン発言の後には、何が待っているのであろうか。一つはこうしたトルコ人から、トルコの国籍をはく奪するということだ。加えて、一時帰国した際に、彼らのパスポートを取り上げ、破棄してしまうということだ。
 パスポートを取り上げられた後では、二度と外国に行くことは、出来なくなる訳であり、結果的に、トルコに留まらざるを得なくなる。その後は厳重な監視の下に置かれ、何時でも逮捕できる状態を、トルコ政府は彼らに対して、用意するということだ。
 トルコは青天井のオープン刑務所だ、という人がいるが、まさにその通りであろう。そうした状態が何時まで続くか、誰にも予測ができないのが、いまのトルコのエルドアン体制だ。