『中東短信』

2017年9月20日

 

:アメリカ大量の武器をSDFに供与

 クルド人を主体とする、シリア防衛軍(SDF)に対して、アメリカは大量の武器を供与した、という情報が伝えられている。その内訳は、トラック120台分の装甲車、軍事用ブルドーザー、火器などだが、シリア北部のキルスに届けられた。

 このアメリカによる大量の武器の、SDFに対する供与は、トルコにとって大きな問題となっていることは、述べるまでもない。これらの武器は将来、トルコとの対立のなかで使用される、可能性が大きいからだ。

 トルコ政府はこのため、アメリカ政府に対して、再三にわたりSDFへの武器供与を、止めるよう申し入れたが、アメリカ政府はこのトルコの要請を、無視し続けている。そこまでアメリカとトルコとの関係は、悪化しているという事であろう。

 

:リビアをめぐる動き急

 リビアの国内紛争を収めようとする、各国の動きがここに来て、活発になっていている。チュニジアのシブシ氏がハフタル将軍と会い、リビアの混乱を収拾するよう、アドバイスした。

 チュニジア政府はエジプト政府と連絡しながら、リビア問題の解決に努力している。またエジプトのヘガジ国防省は、リビアを訪問しハフタル将軍との間で、リビア軍の統一構想について、意見交換をしている。

 

:アクシェネル新党立ち上げは1025

 トルコの野党MHPを離脱していた、メネル・アクシェネル女史は来る1025日に、新党を立ち上げると語った。この新党には多くのMHPメンバーが、同党から離脱して、新党参加の方向にある。

 従って、メネル・アクシェネル女史の指導する新党は、与党AKPにとって大きな不安となるであろう。そのことは、エルドアン大統領が何らかの妨害を、メネル・アクシェネル女史と彼女の政党に対して、しかけるであろうことが予想される。