『ヘズブラの戦法激変イスラエルが警戒』

2017年9月 7日

 

 シリアのデルズールに於ける戦いで、ヘズブラは大勝利を収めたようだが、そのことはイスラエルを、驚愕させている。イスラエルは現在、レバノンの国境地域で対ヘズブラ戦争の、軍事訓練を行っているが、このヘズブラの戦法の変化に、対応せざるを得なくなるだろう。

 そのヘズブラの新戦法とは、ロシアやレバノン、シリア、そしてシリアのイスラム勢力、イランなどとの協力によって、戦いを進めるという、方法のようだ。ロシアは空爆で、この作戦を支えているわけだが、地上では、ヘズブラと親しい関係にある各国や、イスラム組織が参加した、ということだ。

 このデルズールでのヘズブラの勝利は、イスラエルとの戦いでも、採用されるかも知れない、という不安が、イスラエル政府と軍のなかで、拡大しているのだ。この多国家、組織による、ヘズブラの連携作戦が実施されれば、さすがのイスラエル軍も、対応に苦慮する、という事であろう。

 近い将来、想定されているヘズブラと、イスラエル軍のとの戦いには、シリア軍やイランの革命防衛隊、そしてイスラム諸勢力も、参画してくるかもしれない。それは、シリアにとっては二正面作戦、ということになり、負担は少なくなかろう。

 同時に、イスラエル側も単純にヘズブラと、戦うという構図にはなるまい。しかも、現在のヘズブラは20万発とも、30万発とも言われる、多数のミサイルを、所持しているのだ。

 それがイスラエルに向けて、発射されることになれば、エルサレムもテルアビブも、火の海となる危険性が高い。そればかりか、ヘズブラは以前から、イスラエルのネゲブ砂漠にある、原発を警告してきており、ヘズブラがこのネゲブ砂漠の原発に、攻撃を加える危険性もあるのだ。

 ネゲブ砂漠の原発は、大分前に建造されたものであり、老朽化してきているし、スタッフは待遇の改善を求めて、ストを行ってもいる。つまり、ネゲブ砂漠の原発は、極めて危険で不安定な状態にある、ということではないのか。

 もし、ネゲブ砂漠の原発が攻撃されれば、大爆発を起こすこともあり得ようし、放射能が拡散する、危険性も否定できまい。イスラエルはいま、初めて現実的なヘズブラの脅威を、感じているのであろう。