サウジアラビアでテロ事件が起こった、というニュースが流れている。情報ソースによれば、サウジアラビアではこれまでにも、何度もテロ計画が発覚しているし、武力衝突も起こっている、ということのようだ。
以前から書いてきたように、いまでは相当数のIS(ISIL)くずれの帰還戦闘員が、サウジアラビア国内にはいるはずだ。彼らがサウジアラビアに帰国して、テロを越さないはずはあるまい。今回は国防省の関連施設2か所が、ターゲットになっていた、ということだ。
今回のテロ事件では、サウジの体制をムスリム同胞団に握らせることに、目的があったようだということだ。つまり、サウジアラビアの国内を混乱に陥れ、サウジアラビア国民を分裂させ、サウジアラビアの王政を打倒する、ということだ。そして、この目的のために地域の二つの国が、資金を提供した、と言われている。
そうだとすれば、第一の支援容疑国はカタール、ということになろう。カタールはムスリム同胞団にとって天国であり、ムスリム同胞団の大物である、ユーセフ・カルダーウイ師がカタール王家の、庇護の下に生活している。
最近のカタールとサウジアラビアとの、敵対関係のなかでは、カタールがサウジアラビアのテロ集団に、資金提供や武器の提供をしたとしても、あまり疑問には思わないだろう。
だが、今回のテロ事件では、テロリストがIS(ISIL)のメンバーだ、と断定するものと、そうでないものがあるということだ。今回のテロの犯人は2人がサウジアラビア人であり、他の2人はイエメン人だ、と報じられている。そのイエメン人はホウシ派だ、という情報もある。
彼らには爆弾を使った、特攻テロの訓練場所が、サウジアラビアの首都リヤド市内に、あるとも伝えられており、今回逮捕された4人以外に、相当数のメンバーがいる、という事であろう。
カタールがテロリストのスポンサーである可能性と、イエメンのホウシ派がスポンサーというか、計画立案の責任者である、可能性もあろう。また、カタールとホウシ派が結託して行った、という推測もできよう。
それではスポンサーと思わしき国は2国だとサウジアラビアは主張しているが、その2国とはカタールであり、イエメンのホウシ派か、あるいは両方と関係の深い、イランなのかということになる。
イランとサウジアラビアとの関係は、現在劣悪であり、まさに敵対関係にある。従って、イランが背後で動き、テロ事件を起こさせた、という推測も成り立つのだ。通常であれば、時間が経過すれば、取り調べの結果が公表されるのだが、サウジアラビアからは本当の情報は、なかなか出て来ないかもしれない。
そうであるとするならば、今回のサウジアラビアのテロ事件は、我々に想像をたくましくする、自由な範囲を与えてくれた、という事であろうか。