『エルドアン大統領のほらがばれる』

2017年8月23日

 

数日前のことだったが、トルコのエルドアン大統領は、イランとの共同でクルドを攻撃し、殲滅すると息巻いていた。もしそれが実現すれば、確かにクルドにとっては、大きなダメージとなることは必定だ。

しかし、話はそうエルドアン大統領の思惑通りには、動いていないようだ。イランの革命防衛隊が、トルコとのクルド撲滅作戦について言及した。それによれば、イランとトルコとの間には、そのような合意は成立していないというのだ。

つまり、トルコが単独で成立してもいない、クルド掃討でのイランとの協力を、ぶち上げていたということだ。そのことは、いかにトルコがクルドによるテロで、国内が混乱しているか、という事であろう。

また、トルコ国民の間には、クルドのPKKに対する恐怖心が、広がっているために、エルドアン大統領は何らかの対応をしているように、見せる必要があった、という事であろう。

確かに、トルコがPKKで苦慮しているように、イランもまたトルコで活動している、PKKの姉妹組織であるクルドのPJAKが、イラン側に対する攻撃を、継続していることに苦慮してきている。

そのクルドのPKKPJAKの攻撃が、トルコ・イランの国境地域で、起こっているために、トルコとイラン両国が協力して当たれば、PKKPJAKも挟み撃ちにできる、ということなのであろう。

トルコ側に言わせれば、これまでトルコとイランは、国境地域でのクルド掃討作戦について、何度も協議を重ねてきた、ということだ。エルドアン大統領は先日、ヨルダンを訪問したが、その途上、イランとの軍事協力について『トルコはPKKとイランはPJAKと、長年戦い続けてきている。』と語っている。

どうも最近は、トルコのエルドアン大統領の国際社会での孤立が、目立ってきているようだ。エルドアン大統領の暴言が、その主な原因であろう。彼は全ヨーロッパを敵に回し、アメリカに対してすらも罵詈雑言、インジルリク空軍基地を貸したくないと語り、結果的にドイツはすでに撤収し、アメリカはシリアやイラクに、既に何十もの基地を完成させている。そのことは、アメリカも近くトルコの基地から、出ていくという事であろう。

そうなれば、トルコのNATOメンバー国としての立場は、極めて不安定なものとなり、遂にはNATOから追放されて、しまうかもしれない。その場合のトルコの国際政治における立場は、ますます弱体化して行こう。