『トルコの新星大統領候補は女性議員』

2017年8月22日

 

 最近では、トルコのエルドアン体制にうんざりしている、トルコ国民は少なくなかろう。彼の独裁振りが、もう我慢の限界に来ている、と思われるからだ。しかし、問題は彼を超えるキャラクターを持つ政治家が、いまのトルコにいるか、ということだ。

 そうしたなかで、いまトルコでは一人の女性議員が、次の大統領になるのではないか、という期待が高まりつつあるようだ。彼女の名はメラル・アクシェネルで、MHP(保守政党)を離党し、新党の結成が待たれている。

 この政党には、MHPを離党しコライ・アイドン議員も加わる意向であり、彼は10月後半に新党が立ち上げられると語った。党本部は首都アンカラの、ムスタファ・ケマル通りに面した、ビルが予定されている。

 メラル・アクシェネル女史は、MHP2016年に行われた、党首選挙にも立候補しており、党内での影響力は小さくなかった。そうした経緯から、今回新党結成を考えたのであろう。

 彼女と支持者たちは、エルドアン大統領による新憲法下での、独裁に嫌気がさしたのが、主な原因のようだ。既に、何人かのMHP議員が離党し、メラル・アクシェネル女史の政党に、参加すると言い出している。

 元MHP議員で現在独立議員の、ユセフ・ハラキョール氏は818日、『新党は民族主義であり、保守主義であり、アタチュルキストの政党になる。』と語っている。つまり、この新党はあらゆる人士が希望する、政党としての性格を、持った政党になるということだ。

 そうしたことから、この政党にはAKPのメンバーも、CHPのメンバーも抵抗なく入って来れる、ということだ。新党はあくまでも、トルコの憲法の基本を、維持していく方針なのだ。

 新党は2019年の大統領選挙、国会議員選挙に参加し、大統領ポストの奪取に、向かう予定だ。もちろん、新党のメラル・アクシェネル女史は、大統領に当選する意欲満々だ。

 これまで、トルコの人達と何度と無く、ポスト・エルドアンに付いて、意見を交換してきたが、やっとエルドアン大統領に対抗できる人物が、登場してきたということであろうか。

*以前タンス・チルレルという女性が、トルコの首相職に就いていたことがあり、トルコでは女性政治家の活躍は、既に前例があるのだ。タンス・チルレル元首相はご主人のスキャンダルが原因で、辞任したという経緯がある。

 こうしたトルコの政治史からして、国民はあまり抵抗無く、彼女メラル・アクシェネル女史を受け入れるかもしれない。少なくとも、いまの段階から、彼女の名を頭の片隅に、留めておく価値はありそうだ。