『時間の経過で米とIS関係が明らかに』

2017年8月26日

 時間の経過はあらゆる秘密を、暴露するのかもしれない。シリアでのアメリカ軍の、IS(ISIL)支援は以前から、言われていたことだ。アメリカ軍はシリアのIS(ISIL)に対して、武器や食料その他の必要な物資を、上空から投下してきていた。

 このため、IS(ISIL)は有利に戦闘を展開し、続けることが出来ていた、ということであろう。もちろん、アメリカ軍が提供するもののなかには、シリア軍側の軍の展開状況に関する資料も、含まれていたものと思われる。

 今回明らかになったのは、シリアのデルズール近郊で、IS(ISIL)の幹部らしき人物たちが、アメリカ軍のヘリコプターで救出され、何処かへ連れて行かれたということだ。つまり、アメリカ軍は主要なIS(ISIL)の人物たちの救出を、行ったということだ。

 この報告は、イギリスに本部を置く、人権組織によるものであり、正確度は相当高いものであろう。事実、その救出の模様は、写真が撮影されてもいるのだ。ヘリコプターから下ろされたロープで、IS(ISIL)のメンバーたちが、吊り上げられているのだ。

その内訳は外人爆弾専門家、エジプトのコマンド、市民などだということだ。コンドの救出作戦に先駆けて、IS(SISIL)側は基地を、爆破しているということだ。それは証拠隠滅と、武器などを残さないためであろうか。つい最近も、IS(ISIL)支配地域が解放され、そのそばで多数の死者が、埋められてあることが分かった。

アメリカはこれまで、IS(ISIL)に対して安全な移動通路を提供し、物資の供給をして来たことは、各方面からの報告で、明らかになっていた。シリア政府を支援する、ロシアのセルゲ・イシュロビキン将軍は、『アメリカ軍はシリア軍が、南部国境地帯を支配することを、阻止した。』と語っている。

政治評論家は『アメリカはIS(ISIL)を使って、中東地域をカオスの状態にすることを、狙っている。それはイスラエルを有利にするからだ。』と語っている。確かにそうかもしれない。

しかし、こうしたアメリカの努力の結果は、イランの中東地域への台頭を、助けるという逆効果を、生み出してもいる。それは、イスラエルにとっては大きな脅威となっているのだ。ヘズブラ、シリア軍、イラン軍が、イスラエルとシリアの国境地帯にまで、迫ってきていることから分かろう。

 実はアメリカはイスラエルを助けるためではなく、自国の中東地域における、国益を最優先して、行動しているのかもしれない。その結果は、イスラエルに極めて危険な状況を、創り出していくかもしれない。