『ISの戦闘に激しさ増したのか』

2017年8月14日

 

戦闘は双方が戦闘をするから、成立するのであって、一方だけが優位に戦ったのでは、戦闘ではなく虐殺、ということになろう。もちろん、この場合優位な側は、戦闘だと主張しよう。

 IS(ISIL)はイラクでもシリアでも、相当追い込まれている。長いことはなく、イラクでもシリアでも、終わりを迎えるだろう、と言われてから既に、12か月が経過した。無理もない。この地域での戦争は、そう簡単には終わらず、ずるずると小規模になって行く、性質のものだろう(大陸型)

 IS(ISIL)の最後がまだ見えないなかで、嫌な感じがしているのは、ロシア軍の攻撃が始まるまではIS(ISIL)が絶対優位に立っていたために、イラク軍もシリア軍も追い込まれた、感じであったということだ。

 現在の戦争終了が遅れていることは、あるいはそこに原因があるのかもしれない。イラク、シリア軍だけではIS(ISIL)をきちんと、追い込めないのではないか。そうだとすれば、今後、再度IS(ISIL)が優位に立つことも、考えられるのではないか。

 アメリカ軍の兵士がイラクとシリアの国境近くで、戦死したようだが、これはアメリカをして、戦闘意欲を無くしていき、政府も介入を止めよう、と考えるかもしれない。それは、ロシアも同じようなものであろう。ただ、ロシアは直接的な利害が、シリアにはあるため、簡単に店じまいをすることはなかろう。

 ロシアはシリア国内にタルトースの海軍基地を持ち、これは現段階では唯一のロシア海軍が利用できる、地中海沿岸の軍港だ。そのため、シリア問題はこの軍港の利用が可能な形でなければ、終わらせるわけにはいくまい。

アメリカ側はどうかといえば、カタール―を始めとするガスのイラク・シリア経由ルートが、確保できればいいということだ。それは、ほぼ達成されたと言えるのではないか。そのために、アメリカはシリアのクルドYPGに対して、大量の武器を送っているのであろう。

 ただ、この武器は必ずしも、IS(ISIL)との戦いのために、送られているのではあるまい。それよりも、トルコへの攻撃が主たる理由かもしれない。トルコの南東部では、大量の武器を積んだIS(ISIL)の、トラックが捕まっている。

 しかし、それは形だけのものではないのか。トルコ政府はシリアのクルドが力を増して行くなかで、IS(ISIL)を盾に使おう、と思っているのではないかと思われる。幾つかの、IS(ISIL)の戦闘員とトラックを捕まえ、あとは黙認するという事であろうか。

 イラクとシリアではIS(ISIL)との戦いが、ぐずりながらも小規模化していき,戦場はトルコに、移っていくのかもしれない。