トルでは昨年の7月15日に起こった、クーデター未遂事件以来、大量の逮捕者を生み出した。その数は20万人を超えるだろう、と言われており、政府の正式発表でも、16万人を超えている。
このため、トルコ政府は急遽多くの刑務所を、建設しなければならなくなり、刑務所の数を増やしている。しかし、それでも刑務所は足りず、多くの受刑者が一つの牢獄に詰め込まれ、睡眠は交代でとらなければならない事態に、陥っている。
こうした事態に対する対策として、既に、トルコ政府は軽犯罪で受刑している者を、多数釈放したが、今回も3000人が釈放されることになった。その事によって、これから逮捕される受刑者のための、スペースが用意される、ということだ。
つまり、エルドアン大統領は今後も、クーデター関連やギュレン・グループ関係者を、逮捕し続けていくということであり、それはまさに恐怖政治以外の、何物でもあるまい。
妊娠して出産間近のギュレン・グループの夫人を、病院に警察が入り込み、出産と同時に刑務所に連れて行く、というのだから酷い話だ。しかし、国会ではエルドアン大統領の権限を拡大し、誰も手を出せない法整備が進んでいるのだ。
また、38000人がオープン刑務所に収容されることになる。受刑者たちはこれまでよりは、少し広めの牢獄に入ることになり、混雑した牢獄から解放されることになる。何せ刑務所の収容状況は、9パーセントも定員を超えている、というのだから酷いものであろう。
写真で見ると、刑務所の牢獄内部は、まさにすし詰め状態であり、全員が眠るだけのスペースが、無いのだ。多分、シャワーも満足に浴びられないであろうことから、刑務所内は悪臭ぷんぷんであろう。
トルコには現在381の刑務所があり、そのうち139刑務所は、過去10年の間に建設されたものだ、ということだ。そしていまでは、201177人が収容されており、そのうちの2800人が、12歳から17歳の子供だということだ。
トルコ政府は2017年の年末までに、113の刑務所を増設する予定だが、それ以外にも、18の刑務所を増設するといわれている。これは政府による、ある種の国民に対する、社会福祉サービスなのであろうか。
これらの刑務所はエルドアン大統領と、親しい関係にある建設業者が、請け負うことになるだろうが、その場合もエルドアン大統領は、賄賂を取るのであろうか。それなら刑務所の新設も、エルドアン大統領にとっては、悪い話ではあるまい。まさに、ブラック・ジョークの世界ではないか。