『リビアのハフタル将軍サイフルイスラームなどを語る』

2017年7月27日

 

 実質的に、いまリビアで最強の地位にいる、ハフタル将軍がリビアの今後などについて語った。軍の強化について、カダフィ大佐の子息サイフルイスラーム、ヨーロッパ諸国やアラブ諸国について、自分の意見を述べている。

 ハフタル将軍はサイフルイスラーム氏が、政治に参加したければ、何の問題も無く参加できる、と語っている。サイフルイスラーム氏は現在は、安全な場所にかくまわれている、と状況を説明した。その安全な場所とは、ハフタル将軍が支配下に置く、リビア東部のベイダ市であるようだ。

 サイフルイスラーム氏の政治参加については、何ら問題はなく、逆に歓迎するとも語っている。つまり、サイフルイスラーム氏の国民からの支持が、未だに強いということではないのか。

 軍の強化については、過去3年間軍人の訓練が行われ、それは軍事大学で行われた。また、トルコやエジプトにも派遣し、リビア軍将校が軍事訓練を受けていることも、明らかにしている。

 現状では、トリポリはハフタル将軍の部隊が掌握しており、特別に市内に進攻する必要が無い、とも語った。それが事実であるとすれば、ハフタル将軍とミスラタの部隊の間に、何らかの合意が出来ている、ということであろう。

 トリポリのセラジ首相体制を支援しているのは、ミスラタの部隊であり、彼らとの合意無しには、ハフタル将軍側も軽々には、動けないと思われるからだ。

 ムスリム同胞団については、穏健なメンバーは問題ないが、強硬派についてはテロリストと認識する、という考えのようだ。しかし、ムスリム同胞団はエジプト政府と対立関係にあり、エジプト政府はハフタル将軍側を、支援していることから、ムスリム同胞団に関する発言は、その通りには受け取れない。

 セラジ首相がハフタル将軍に、大統領のポストを提案したことについては『彼自身も私も、大統領の職に就くことは、まだ話していない。』と否定した。ハフタル将軍はいまリビアにとって必要なことは、一日も早く国際社会が認める、しっかりした政府を作ることだ、と語っている。

 近い将来、カイロでリビアの軍関係者の会議が、開催される予定だが、その会議にはミスラタの代表も、参加することになっている。もし、それが実現されれば、リビア国内の状況は、大きく前進するかもしれない。

 イラクやシリアでIS(ISIL)が敗北し、エジプトとリビアに残党が逃げ込むことが、予測されている時期だけに、国内闘争は一時見合わせる、という認識がリビア人の間に、広がっているのかもしれない。

 ハフタル将軍がインタビューの最後にフランス、チュニジア、エジプト、アラブ首長国連邦などによる、リビアへの支援を感謝すると述べた。