『オズトウルク空軍司令官再膨張に抗議書簡』

2017年7月 5日

 

 著名な空軍司令官であるオズトウルク氏は、クーデターが起こって間も無く、逮捕された。彼の逮捕はクーデター発生から、4日後の19日だった。同時に多くの将兵が1819日にクーデターに関与した、として逮捕されている。

 オズトウルク司令官は人望が、篤かったのであろうか、彼が裁判の場に引き出されるとき、彼の腕を掴んでいた若い将校は、目を真っ赤にしていた。つまり、泣いていたのであろう。

 クーデター発生後素早く、多くの関係者と思われる軍人や市民が、逮捕されているが、それは当時1500人以上にも上り、クーデター以前の段階で、逮捕者リストが準備されていたのであろう、という憶測が広がっていた。

 このオズトウルク氏のことが、今回ニュースになったのは、彼がアカル参謀長に対して、抗議書簡を送ったことだ。

 オズトウルク氏が抗議というか、要請という内容の書簡を、アカル参謀長に送り、その書簡が検察にも回ったことで、クーデターがらみの裁判で、何らかの変化が起こるかもしれない。勿論、このニュースは大々的に、トルコのマスコミに取り上げられ、国内を賑わせているものと思われるし、市井の話題にもなっていよう。

 大げさな言い方が許されるならば、これはエルドアン体制に対する、軍のクーデターのようなものではないのか。裁判をめぐり、検察は再度クーデター関係者たちの調査を、しなおしていくことが予測され、そこから今まで隠蔽されていた、幾つもの真実が明らかにされるかもしれない。

 野党CHPは党首自らが参加する、アンカラからイスタンブールまでの公正の行進を行っているが、このCHPは同時に新憲法の国民投票は、政府によるやらせだと主張し、ヨーロッパの裁判所に提訴する、と言い出している。

 つまり、トルコではいま、軍や検察そして市民が、遂にエルドアン体制に対して、立ち上がったということではないのか。今回のオズトウルク氏の抗議は、その新たな行動への、第一歩であろうと思われる。