『トルコ軍将官40パーセント失う』

2017年7月24日

 

 トルコのエルドアン大統領は、昨年715日に起こったクーデターにかこつけて、多数の国家公務員や学者、ジャーナリスト、軍人、検察官、警官、政治家を逮捕し投獄した。自分の政敵は徹底的に、叩き潰すということなのであろう。

その結果トルコではいま、インテリがその職を追われたために、頭脳の存在しない政府が、誕生してしまっているのだ。それは政治、経済、外交、軍事などあらゆる面で、トルコに悪影響を及ぼしていることであろう。

つい最近日本の新聞も、そのことを報じているが、現実は悲惨なものではないのか。特に軍人は頭脳を失ってしまえば、作戦を立てられずに素人の喧嘩のような、戦闘しか出来なくなってしまおう。これではトルコ軍はエルドアン大統領のイエスマンで固められた、張子の虎になってしまうだろう。

トルコの新聞は以前から、この問題を指摘していたが、今回は中道左派的(トルコのマスコミは押しなべて、エルドアンのイエスマン報道なのだが、この新聞は少し批判的なことも掲載している)な立場にあるフッリエト紙が『トルコ40パーセントの将官が減った!』という記事を掲載した。

その報道によれば、トルコでは軍の幹部が、クーデターに関与したとして、軒並に逮捕され、40パーセントが職を追われたというのだ。その離職の形は、辞任や辞職という形を取ってはいるが、事実は明確な政府の圧力による、追放であろう。

 将軍や海軍の提督の数は、クーデター前は326人だったものが、今では196人に減っている、ということのようだ。この穴を埋めるべく、国防省は13125人を新たに、雇用したということだ。

 クーデター後198人の将軍が追放され、海軍でもトップの提督が2人、4人の副提督、その下の提督が12人、司令官の38人が首になり、多数の戦闘指揮官が職を追われている。

 政府国防省の発表によれば、8651人の軍人が、クーデター関与で逮捕され、職を追われている、ということであり、彼らの相当部分がフェト(ギュレン・グループ)に、関与していたということのようだ。加えて士官学校の学生1214人も、放校処分となっている。そのうちの多くは、逮捕され投獄されていることであろう。

 これではトルコの軍は機能不全に、陥ることは明らかであろう。政府や国防相がつぎはぎの新規雇用をしても、それは軍という構造のなかでは、あまり機能すまい。結果的に彼らの多くは、政府の高官の覚えをよくしようと、スタンドプレーに走り、実のある行動をすることはあるまい。

 それは他の省庁でも同じであり、そうした政府構造では、トルコが外交でも、政治でも、経済でも、軍事でも、どんどん欠陥を露呈していくことになり、外国からの投資も、逃避することになろう。

 そこでは治安対策の強化だけが進み、過剰逮捕暴力が警察よって行われ、検察や裁判所もしかりであろう。まさに暗黒の時代が、始まっているということだ。