サウジアラビアとカタールとの間では、テロとイラン対応をめぐり、緊張した関係が続いていることは、何度かご報告したとおりだ。サウジアラビア側にはエジプト、アラブ首長国連邦、バハレーンなどが組し、カタールにはイランとトルコが支援を送っている。
問題は、この緊張がどうして起こったのか、ということだ。確証は無いが、友人などからの情報によれば、アメリカがカタール首長に、訪米するよう催促し、それにカタールの首長が応えなかったことに、原因があるということのようだ。
もちろん、アメリカのトランプ大統領が、カタール首長を訪米させようとしたのは、武器を大量に買わせることが、主たる目的だった。しかし、カタール首長はそう簡単には応じたくない、ということだったのであろう。
このときから、アメリカとカタールとの関係に問題が発生し、サウジアラビアをそそのかして、今回の緊張を生み出させた、ということのようだ。結果は、カタールにとって、極めて厳しいものとなった。
あわてたカタールは、何と在米カタール大使館の幹部がサインして、120億ドルの武器の購入を、決めたのだ。その額は小さくない。36機のF-15戦闘機を買ったのだ。それは、サウジアラビアの1000億ドルを超える、巨額な武器購入から、たった1週間後だった、といわれている。
結果的に、アメリカは武器輸出で6万人の雇用が、確保されることになり、トランプ大統領にとっては、国民に自慢するネタ、となったことであろう。
カタールはアメリカが持つ、中東最大の軍事基地のある国だが、アメリカ政府は『カタールがテロを支援している。』と非難していたのだ。このカタールの米軍基地は、シリアやイラク、そしてアフガニスタンすらも、カバーしているのだ。
ちょっと話を戻そう、カタールにはF-15戦闘機を操縦することが出来る、パイロットが36人もいるのかということだ。戦闘機の操縦はそう簡単ではない、猛スピードで飛行するために重圧がかかり、相当訓練しなければ乗りこなせないのだ。
大分前に聞いた話だが、ドバイの王族の大臣が、日本の財界人の一人に『アメリカから武器を購入しないと、王家が危険になるから、仕方なく購入しているのだ。我々にはこんな進んだ武器は使いこなせない。』と語っていたということだ。
サウジアラビアなどでも、戦闘機のパイロットは、ほとんどがパキスタン人やインド人ではないのか。イラン・イラク戦争当時は、両国のパイロットには、水兵飛行しか出来ないことが、話題になっていた、スクランブルをかけることなどは、夢のまた夢だったようだ。