シリアのSDFは主な戦闘員が、クルド人によって構成されているミリシアだが、このSDFの活躍が、最近目覚ましいものに、なって来ている。それは、アメリカがクルドの戦闘員の能力を高く評価し、そのクルド人が主なSDFに対して、大量の武器を与え、しかも、援護攻撃をするように、なったからであろう。
5月に入りシリアのタブカが、SDFの手に落ちた。タブカはIS(ISIL)が首都だ、と主張しているラッカから、40~50キロしか離れていない要衝であり、このタブカを支配することが、やがてはラッカ攻略に乗り出す上で、重要なステップになるのだ。
そのこともあって、SDFとアメリカ軍は、何としてもタブカを落としたい、という事であったのであろう。しかも、タブカはシリア最大のダムの近くでもあり、シリアのほとんどの電力は、ここからシリア全土に、送られているのだ。
もし、ダムがIS(ISIL)によって、決壊されることになれば、その被害はシリア全土に及ぶ、という事でもある。現段階では、タブカの80パーセント程度が、SDFの支配下になった、ということのようだ。
タブカの攻略は、4月の段階では遅々として進まない、状態になっていたが、5月に入り、SDF側は一気に攻勢に出た、という事であろう。それは、アメリカが次の最大のターゲットである、ラッカ攻略に向けて本格的に乗り出した、という事であろう。
このタブカ攻略の戦いに、貢献出来なかったトルコ軍は、ラッカ攻略でも貢献出来ないのではないか。トルコ政府は『トルコ軍抜きのNATO軍は弱体化する。』というが、クルドの戦闘員がそれを補って、余るものがあるのかもしれない。