『米議会議員エルドアンと大使をぼろくそ』

2017年5月26日

 

 つい最近、アメリカの下院議会外交問題委員会が開催された。そこでのメインテーマは、トルコのエルドアン大統領訪米時に、起こった事件だった。述べるまでもなく、エルドアン大統領のボデーガードが、デモ隊に対して襲いかかり、多数を負傷させ、アメリカの警官も怪我をする、というものだった。

 下院外交問題委員会で、ダナ・ローラバッチャー氏は『お前のようなやつを招く必要はない。トルコから招待するのであれば、民主主義を推進する人たちであり、その逆の連中ではない。エルドアンはイスラムファシズムを、トルコで進めようとしている。エルドアンは二度とアメリカに、招待されてはならない。彼は我々の立ち位置とは逆で、我々とトルコ国民の敵だ。』と非難した。

 記録されたビデオを見ると、エルドアン大統領が彼のボデーガードたちに対して、デモ隊を攻撃するよう指示しているのだ。しかも、ボデーガードたちがデモ隊を攻撃している様を、エルドアン大統領はトルコ大使公邸の、バルコニーから眺めていたのだ。

 ボデーガードたちの攻撃は、デモ隊だけではなく報道しようとしていた、ジャーナリストも襲ったのだ。以前、ブルッキング・インスチチュートで、エルドアン大統領が講演したときも、同じようにボデーガードたちが、デモ隊を襲撃している、つまり、エルドアン大統領の体制は、ますます独裁的であり凶暴に、なって来ているということだ。

 ローラバッチャー議員は、アメリカとトルコとの友好関係は終わったと語り、トルコ国民の民主的権利も、失われたと語っている。ロードアイランド選出のデイビッド・シシリーン議員も同じように『エルドアンはデモ隊に猛犬を放ったのだ。』と非難している。

 カリフォルニア選出のブラッド・シャーマン議員は『これはアメリカの主権に対する攻撃であり、在米トルコ大使は平気でうそを言った。彼は即刻追放されるべきだ。』と非難している。

 こうしたアメリカの議員たちの、トルコとエルドアン大統領に対する、非難を聞いていると、もはやアメリカとトルコとの関係には、希望が全く持てなくなっていることがわかる。後はアメリカ政府が、具体的にどんな対応を、トルコとエルドアン大統領に対して、採るかを待つのみだ。