『トルコの親政府新聞英のテロは自業自得』

2017年5月25日

 トルコの最も政府に近い新聞社に、ギュネス社とアクト社がある。この二つの新聞社が、同日に同じ内容の報道を報じたことが、問題になっている。それはトルコとイギリスとの関係に、少なからぬ悪影響を与えることが、予測されるからだ。

 ギュネス社の記事の中には、マンチェスター・テロ事件のことが書かれた、記事が掲載されたものがあったが、その記事のなかでギュネス社は『イギリスはテロを支援していたのだから、当然の帰結として、飼い犬にかまれる、ということが起こる。それが今回のテロ事件だ。』という内容の主張をしたのだった。

 マンチェスターの音楽コンサート会場で、子供を含む22人もの犠牲者と、50人を超える負傷者が出た大事件に際して、この記事の内容は、極めて常識を欠くものであろう。誰が読んでも、トルコの新聞社に対する、常識を疑うだけではなく、怒りを感じるであろう。

 加えて、アクト社の記事でも、ほぼ同じ内容のことが書かれていたのだ。両社に言わせれば、イギリスを始めヨーロッパ諸国は、これまで、トルコのPKKDHKP/CFETO(ギュレン・グループ)などを、支援してきているというのだ。そしてこれらの組織は、いずれもテロ組織だ、ということになる。

 ギュネスのエッセム・サンジャク社長は、与党AKPの中央執行委員でもあるのだ。つまり、今回のような記事内容の報道が、許されるという事は、トルコ政府と与党AKPが記事の内容を、認めたという事であり、トルコ政府の立場であった、という事であろう。