マレーシア政府はトルコ政府からの、強い要求によってであろう、マレーシアに滞在し、教育事業を展開していた、2人の人物を逮捕し、トルコに引き渡した。二人の名前はトルガイ・カラマン氏とイフサン・アスラン氏だ。
彼らはクアラルンプールのビルの駐車場の内部で、マレーシアの情報部員によってさらわれ、投獄されていたが、木曜日にトルコのアンカラに向けて、送り返されることとなった。
彼ら以外にも、学者のイスマイル・オズジェリク氏が逮捕されている。イスマイル・オズジェリク氏は期限切れのパスポートを所持し、マレーシアに留まっていたため、滞在法違反とされた。(トルコ政府はギュレン・グループのメンバーの、パスポートを無効にしている、期限切れはその為であろう。)
これら3人は皆ギュレン・グループのメンバーであり、マレ-シア政府はテロとの関連から逮捕した、と説明している。しかし、彼らは教育事業を展開しており、インターナショナル・スクールを運営していた人達だ。
マレーシアが彼ら3人を、トルコ側に引き渡した結果、彼らを待っているのは、逮捕と投獄だ。このため、東南アジア地区の国連人権委員会は、マレーシア政府に対して、トルコへの引渡をしないよう、働きかけていた。
この問題が公になったのは、ビルに設置してあった監視カメラによる。マレーシアの情報部員が、トルコ人をさらう様子を、一部始終記録にとどめていたためだ。もし、この監視カメラの記録が公開されていなかったら、多分ことは闇から闇に、運んでいたのではないか。
穏健な民族で知られているマレーシアで、このような犯罪行為が起こることは、少なからぬ不安を、現地に滞在している人たちに与えよう。マレーシアのラザク首相と、トルコのエルドアン大統領との関係は、すこぶる良好であり、そのためにトルコ側の要請に応えたのではないか、と言われている。
ラザク首相については、以前、湾岸の某国から大金を受け取ったことが、問題視されたことがある、つまり彼は金には弱い、タイプなのかもしれない。多分、今回の場合もエルドアン大統領が、大金をラザク首相に渡し、ギュレン・グループのメンバーの引渡を、要請したのであろう、と言われている。
マレーシアからトルコに送り返された人たちは、逮捕され投獄された後、何の法的手段も取られず、刑務所に放置され、運が悪ければ拷問を受ける、ということであろう。また投獄中に病気になれば、治療も受けずに死亡することすら、懸念される運命にあるのだ。
トルコでは新憲法が発令され、大統領の権限は大幅に強化され、エルドアン大統領はあらゆることが、可能になったのだ。彼は死刑を復活する、とも言っているが、ギュレン・メンバーは最初に、処刑されることになるかもしれない。なおこの問題に対する、日本政府の動きは皆無だ。