『サウド王国は破壊されようとイラン国防相』

2017年5月 8日

 

 イランのフセイン・デフガン国防相は、『サウジアラビアを破壊する。』と語った。これは、アラビア語放送アルマナーラとの、インタビューのなかで、語られた言葉だ。フセイン・デフガン国防相は、『メッカとメジナを除く、サウジアラビアの全ての街が、破壊されよう。』と語っているのだ。

 なぜこうも激しい言葉が、イランの国防相の口をついて、出たのだろうか。実はこれに先立って、サウジアラビアのムハンマド・サルマン副皇太子が『サウジアラビアはイランと戦争する意思があるが、それはイラン領土内であり、サウジアラビア領土内ではない。』 と語っているのだ。

 つまり、サウジアラビアは十分な、航空兵器を所有しているので、イランに対しては、サウジアラビア領土への侵入を許さず、一方的に攻め、かつ、攻撃することが出来る、という判断に立った言葉であろう。

 イラン側の判断では、サウジアラビアはイエメンに対し、無差別空爆を継続しており、その犠牲者は既に、12000人を超えているが、誰もこの残虐行為を、止めようとしていないために、サウジアラビアは国際的に、許される行為だ、と受け止めている。

 サウジアラビアのムハンマド・サルマン副皇太子はまた『イランはムスリム世界を、コントロールするつもりでいる。』とも非難している。

 イランのザリーフ外相は『サウジアラビアがイエメンに対する攻撃を止め、テロリストへの支援を止めるのであれば、関係正常化をしてもいい。』と語っている。しかし、現状では、サウジアラビアはアメリカや、イスラエルと連携して、過激な動きに出ている、とも語っている。

 イランがこうした、過激な発言をしたからと言って、サウジアラビアに対する軍事攻撃を、近い将来かけるとは思えないが、イランの強硬姿勢は国際経済、なかでも石油ガス価格の変動や、通貨レートには少なからぬ影響を、及ぼすことが予測できよう。

 従って、当分、サウジアラビア国内情勢と、サウジアラビア・イラン関係の推移は、注視する必要がありそうだという事だ。国際関係は複雑であり、現在姿を見せていないカードが、突然登場したり、めくられることがあるのだ。サウジアラビアの石油に依存している日本は、気を付けなければなるまい、ということになる。