『トルコNATO基地失い株式市場のセンターも失う』

2017年5月20日

 

 トルコのインジルリク空軍基地は、NATO軍にとって、非常に重要な空軍基地であったが、エルドアン大統領の失言で、アメリカもドイツも、インジルリク空軍基地から、撤収する方向にある。

 その事は、トルコがNATOにとっての重要性を、低下させることであり、近い将来、NATOのメンバー国から外されることも、ありうるということだ。そうなると、トルコの国際政治のうえでの価値は、大幅に低下するということになろう。

 その事に加え、今度は株式市場のセンターが、トルコのイスタンブールから、アルメニアのエレヴァンに、移されることが決まった。これも、トルコにとってはショックであろう。エルドアン大統領は何でもトルコが中心、と言いたいタイプの人物であるだけに、ショックは大きかろう。

 この株式市場というのは、ユーロ・アシア株式市場(FEAS)であり、このセンターのイスタンブールから、エレヴァンへの移転は、同組織の全体会議で、516日に決定された。この決定によりイスタンブールは、ユーロ・アシア株式市場のセンターとしての役割を、22年振りに降りることになった。

 新しい事務総長には・アルメニアのナスダクOMXのコンスタンチン・サロヤン氏が選出された。

このユーロ・アシア株式市場には、12の設立メンバーがおり、それらは、アンマン、ブラチスラヴァ、セントラルアシア、ファーストブルガリア、イスタンブール、カラチ、ルジュビナ、トルクメニスタン、テヘラン、テルアビブ、エレヴァン、ザグレブ株式市場などだ。

 これらのメンバーに加え、最近では40以上のメンバーが、参加しており、株式市場、貿易振興会、そして地域の政府機関などだ。

 エルドアン大統領は訪米で、何の成果を上げることが出来なく帰国し、彼のボデーガードはクルド人デモ隊に対し、暴力を振るったことで問題化している。アメリカの議会やマケイン氏らは、在アメリカトルコ大使を呼び出し、詰問しているし、国外追放しろ、という声も上がっている。

 今回のユーロ・アシア株式市場のセンターの座を、イスタンブールからエレヴァンに移すことは、エルドアン大統領とその側近たちに、相当応えているはずだ。アルメニアとトルコとの関係は、トルコがやったとされる大虐殺問題で、極めて劣悪な関係にあるからだ。