『イラク軍モースルのISは投降しろ』

2017年5月18日

 

 イラクのモースルは、IS(ISIL)にとってイラクにおける、最後の拠点となっている。しかし、このモースルもIS(ISIL)にとっては、安住の地ではなくなり、シリアのラッカ(ISの首都)と同様に、まさに風前の灯火の状況下に、なりつつある。

 これまで何度かイラク軍は、モースルでIS(ISIL)の手に残っている地域について、IS(ISIL)の支配地域は10パーセントにも満たない、と報じてきていた。それがいまだに奪還を終えていないのは、モースル市内に住む一般人の犠牲を、最小限に抑えたいという、イラク軍の考えによるものだ。

 そしていま、イラク軍とイラク政府は、モースルのIS(ISIL)からの完全奪還は、ラマダン月の前に終える(ラマダンは526日から始まる)と発表している。これはその自信があるから、発表されたことであろう、と思っていたが、どうもその通りになる様だ。

 イラク軍は最近になり、『モースルに残っているIS(ISIL)の戦闘員は投降しろ。』と呼びかけるようになってきた。もうこれ以上無駄死にはするな、という事であろう。加えて、IS(ISIL)の投稿呼びかけに際しイラク軍とイラク政府は『お前たちは公正に裁かれる』とも保証している。

 確かに、モースル地域の各町村と主要な建物は、既にイラク軍の手に落ちているようだ。モクスや学校などがIS(ISIL)側にとって、立てこもる場所であったのだが、それすらも手放さざるを、得なくなっている。

 他方、モースルの住民のうち、キャンプを出てモースルに戻っている人たちの数は10万人を超えたという事であり、モースルの各地域は安全が、ほぼ確実なものになったという事であろう。

 聖なるラマダンの月に、モースルが解放されることは、二重の喜びとなろう。そして、これまでの、IS(ISIL)の残虐な活動は、一体何を生み出したのか、ということになる。膨大な数の犠牲と、破壊だけが残ったということだ。