『EU社会主義グループ・トルコの加盟に3条件』

2017年5月12日

 

 EUの社会主義各政党の、集合体である組織の長、ギアンニ・ピテッラ氏がトルコの首都、アンカラを訪問し、トルコ野党第一党のCHP党首、クルチダウール氏と会議を持った。そのなかでギアンニ・ピテッラ氏は、トルコがEUに加盟するには、3つの条件を満たさなければならない、と語った。

 

 その3つの条件とは以下のようなものだ。

:非常事態法を解除すること。

:受刑ジャーナリストの釈放。

:法治の徹底。

 

 ギアンニ・ピテッラ氏は、これらの条件が満たされるのであれば、トルコのEU加盟を、EU議会のなかで、全面的に支援すると語り、もし、これが実現しなければ、我々はトルコのEU加盟に、反対すると語った。

 しかし、この3つの条件はいずれも、エルドアン大統領の意向に反するものであり、実現は不可能であろう。そのことは、EU内部のトルコのEU加盟に、最も前向きな社会主義系議員の、支持を受けられない、ということを意味している。

 一見、前向きなように見える、このギアンニ・ピテッラ氏の提案は、初めからトルコのEU加盟に、反対の立場にある、という事ではないのか。ギアンニ・ピテッラ氏も彼の提案は、エルドアン大統領に拒否されるものだ、という事を知っていたはずだからだ。

 そうであるとすれば、このギアンニ・ピテッラ氏のトルコ訪問は、『体のいいエルドアン批判キャンペーンが目的の、トルコ訪問であった。』ということになるのではないのか。EU諸国では社会主義者たちばかりではなく、全体が反エルドアンの動きに、向かっていると思えるのだが。