『ドイツでトルコ軍人外交官など450人が亡命申請』

2017年5月 7日

 ドイツでいま、トルコ人の軍人、外交官、裁判官、公務員などが、ドイツ政府に対して、政治亡命を申請していることが分かった。これはドイツのデル・シュピーゲル紙が伝えたものだ。*

*しかし、450人とはあまりにも多い数だ、と思えるのだが、ドイツにいるトルコ軍の軍人で、NATOへ派遣されている人達も、含まれているのであるから、それもありうる、と納得がいった。

* もちろん、これら政治亡命を申請している人たちの、家族も同時に政治亡命申請を、しているということだ。*

ドイツ政府に対して、政治亡命を申請しているトルコ人は、ドイツ国内居住者だけではなく、ベルギーやアフリカに滞在している、トルコ人達からの申請も、出ているということだ。*

*何故、トルコ人がドイツへの政治亡命を、したがるのかといえば、ドイツには200万人を超える、トルコ人が居住しているからであろう。あるいは、ドイツ在住のトルコ人の数は、300万人を超えているかも知れない。*

*つまり、ドイツにはしかるべき人数の、トルコ人が居住しており、一つの巨大なトルコ人コミュニテイが、出来あがっている、ということだ。従って、トルコ人はドイツに亡命が可能となれば、彼らはそこで就職することも、生活することも、他の国に比べて、容易であろう。加えて、ドイツ政府の寛容な、外国人対応もあろう。

*実はドイツに対して、政治亡命をしている総人数は、450人などというレベルではない。何と7700人ものトルコ人達が、申請しているというのだ。しかし、政治亡命申請がスムーズに進んでいるわけではなく、これまでの申請者のうち、8パーセント程度が、政治亡命申請を受理された、ということのようだ。

*ドイツ政府はこの受理の割合の数値を、引き上げていく方針だ、と語っている。トルコ人がドイツで急速に、政治亡命手続きの数を増やしているのは、トルコ政府による、ギュレン・グループに対する締め付けが、今後、ますます厳しさを増していく、という予測からであろう。*

*先に行われた新憲法投票後、エルドアン大統領はネオ・オスマン帝国の、スルタン(皇帝)の座に就いたからだ。この結果、エルドアン大統領が投票前に語っていたように、新にギュレン・グループのメンバー3万人の逮捕が行われよう。*

*新憲法の是非を問う投票で勝利した彼は、あらゆる権限を手中に収めることが、できたのだ。首相職を廃し、閣僚の任免権を手にし、非常事態宣言を発令することが出来る、まさにスーパー大統領なったのだ。*

*トルコ・タイムズ紙は逮捕者の数を報じたが、その数は膨大なものだ。*149833人が取り調べを受け、48636人が逮捕されているということだ。そのほとんどは刑務所に入れられているのであろう。