さる3月14日に、サウジアラビアの副皇太子が訪米し、トランプ大統領と会談している。その折に話し合われた最大のテーマは、サウジアラビアの防衛力を強化することであり、アメリカからのサウジアラビアに対する、兵器の大量輸出だった。
両国間の話し合いはスムーズに進み、結果的にアメリカはサウジアラビアに対して、1000億ドルの兵器を輸出する、合意を取り付けることが出来た。1000億ドルということは、邦貨に換算すると、11兆円以上という、膨大な金額に上るのだ。
その内訳は、F-15戦闘機とその支援施設である、地上のコントロール・センターだが、これも数百億ドルにも上るものだ。これらに加え、兵器の修理保全サービス、船舶、対空ミサイル、海上治安警備設備などだ。
アメリカはこれらの兵器を、サウジアラビアに輸出するに当たり、今後10年で合計金額が、3000億ドルに達する予定だ。トランプ大統領はこの巨額に上る、サウジアラビアとの契約を、5月19日の訪問時に、正式に調印する予定に、なっている。
この、トランプ大統領のサウジアラビア訪問は、トランプ大統領が始める、一連の中東訪問のなかに、含まれるものであり、サウジアラビア以外には、イスラエル、そしてブリュッセルやバチカン訪問、シシリーで開催されるG7参加、NATOサミット参加も含まれている。
トランプ大統領はサウジアラビアでは、サウジアラビアのトップたちとの会談に加え、湾岸諸国6カ国のトップとの会談、イスラム諸国56カ国の代表者らとの会談も行う予定だ。サウジアラビアとはシリア問題や、イエメン問題が話し合われ、イランによる紅海への、浸透を阻止することも、話し合われる予定になっている。
このアメリカが取り付けた、サウジアラビアへの巨額な兵器輸出は、アメリカ経済を活性化させることは、間違いあるまい。それはトランプ大統領への再評価が、アメリカで始まる、ということかも知れなし。
次のトランプ大統領の切るであろうカードは、パレスチナ問題であり、トルコ、イラン対応であろう。