『トルコに欧米が集中砲火』

2017年4月28日

 

 *ここに来て、トルコに対する厳しい非難の言葉が、アメリカとヨーロッパ諸国から、向けられている。確かに、欧米諸国がトルコを非難したい気持ちも、無理はなかろう。何故ならば、トルコはNATOのメンバー国であり、NATOのメンバー国は同じような価値観と基準で、ものを考え行動をしたい、と思っているからだ。*

しかし、トルコは法律を無視し、エルドアン大統領による独裁体制を、より強化する方向に動いている。先に行われた、憲法改正をめぐる投票では、PACA(ヨーロッパの投票監視団)の活動を邪魔し、投票結果に対する疑念のクレームを、拒否している。*

 EUの幹部の一人は、トルコの憲法改正の国民投票の後『もうトルコをEUのメンバー国にするかどうかは、話し合う必要が無くなった。』とトルコを切り捨てている。西側のマスコミには『西側諸国のなかに、エルドアンにはもう友人は、いなくなった。』と書いたものもあるほどだ。

* さすがにそれは酷過ぎるとして、前大統領ギュル氏がクレームを、付けているほどだ。 *

この憲法改正投票などにも関連し、トルコ系ドイツ人ジャーナリストは、トルコのなかで活動していたが、彼は逮捕され、投獄されることになった。このことについては、ドイツのメルケル首相がエルドアン大統領に対し、クレームを付けている。

つまり、現在のトルコの体制は法を犯し、人権を無視して行動している、ということだ。

NATOのチーフである、ジェン・ストルテンブルグ氏は『トルコは順法精神を示すべきだ。』と批判している。同じような非難は、アメリカの在トルコ領事によっても、なされている。彼は『トルコは強い民主主義を遂行すべきだ。』と語っている。アメリカ政府のスポークスマンである、マイク・トーナー氏もトルコのPKKYPGに対する、武力攻撃でクレームを付けている。

時期を同じくして、トルコに対する欧米の非難が寄せられたことは、それなりの意味があるものと、考えられる。欧米はエルドアン大統領が発言してきた、嘘のカードを、一枚ずつ破り捨てているのでは、ないだろうか。

エルドアン大統領が『アメリカとは一枚岩だ。』と言ったことは、すでに嘘だとトルコ国民の多くが知るところとなった。加えて、難民問題でもトルコが意図的に、ヨーロッパに送り込んだという事が、ヨーロッパ諸国でもトルコでも、知られるようになった。

NATOの一員であり、準ヨーロッパ人のように、振る舞ってきていたが、ビザ廃止は実現せず、NATOメンバー諸国はエルドアンを、全く信用しなくなり、アメリカとドイツは重要なトルコの、インジルリク空軍基地から撤退することを、決めている。

それでは、ロシアとの関係はどうかと言えば、相変わらずトルコ産品の、輸入制限をしており、トルコの農業従事者は泣いている。

国民投票が済んで1週間程すると、トルコ・リラが持ち直してきているが、それは短期の市場介入で、欧米の投資家たちが、利ざやを稼ぐことを、狙ってではないかという懸念が、沸いている。気が付いてみたら、トルコの国庫には外貨が無くなっていた、という事もありえよう。