リビアは中東諸国のなかにあっては、準主役であり主役には、なり難いようだ。それはやはり、リビアが生んだ世界的なスーパースター、カダフィ大佐が死亡したからであろう。
最近、リビアから伝わって来るニュースは、あまり各国から歓迎される物ではない。それどころか、リビアのイメージを下げるものばかりだ。例えば、アフリカからリビアを経由して、ヨーロッパに入り込もうとする、アフリカ人を捕まえて、リビア人が奴隷として売っている、という話であるとか、武器の密輸の話などだ。
そのことに加えて、リビア国内組織間の権力闘争の話が、伝わって来ている。今回の話は、リビア南部のセブハという街にある、刑務所が空爆され、5人の受刑者が死亡した、という話だ。
空爆の後、誰が攻撃したのかについては、明らかにされていないが、セブハにはトリポリ政府(統一リビア政府と呼ばれ国連が作った傀儡)の空軍基地があることから、東リビア政府のハフタル将軍の側が、空爆したのであろう、とみられている。
エジプト政府はこのセブハの街などから持ち出され、大量の武器がリビアからエジプトに流れ込んでいることに、頭を痛めているが、今回もやはり、大量の武器の密輸団が逮捕され、武器が押収されている。
述べるまでもなく、それらの武器はシナイ半島北部に陣取る、IS(ISIL)と連携するアンサール・ベイト・ル・マクデス組織(イスラム原理主義組織)に流れ、エジプト軍との戦闘に、使われているのだ。
エジプトに流れ込む、リビアからの武器は機関銃はもとより、拳銃、爆薬、地雷など各種であり、北シナイ以外にも、シリアなどにも流れ込んでいる。多分に、レバノンで使用されている武器も、元はリビアから流れたて来た密輸品であろう。
カダフィ大佐という独裁者(?)が、リビアをコントロールしているときは、リビアから武器が密輸されることは、ありえなかったし、アフリカ人を奴隷として、売買するという事も、起こりえなかった。
欧米が唱える人道主義は、地中海での大量の水没死者を、アフリカ難問の間に生み出しており、アフリカ人奴隷を誕生させており、イスラム・テロの活動を活発にさせるようにしているのだ。
何が正義で何が悪なのかを、真剣に考えずに、マスコミが流す情報を、信用していては、自分たちの身にも、危険が降りかかってくる、ということだ。北朝鮮との緊張もそれであろう。誰が火をつけたのか、何のために??