『アメリカの幾つかの発言と化学兵器』

2017年4月13日

 

 アメリカのトランプ政権は、自分たちがやっていることが、どういうことなのかを、正確に把握しているのであろうか。どうもそう思えないような気がするのだが、それは私の勘違いであろうか。

 最近になって、アメリカのトランプ大統領は『シリアに立ち入る意図はない、ただ化学兵器の使用を許すことができないだけだ。』といった発言をしている。しかし、その化学兵器なるものが、シリア軍機によって投下されたのか、攻撃を受けたビルのなかにあったのかは、トランプ大統領は分かっていないのではないか。

アメリカ軍が説明するままに、シリア軍の空爆で化学兵器が使用された、と考えたのではないのか。ロシアに言わせれば、化学兵器はテロリストたちが、攻撃を受けたビル内に隠匿していた、という事であり、シリアのムアッレム外相に言わせると、その化学兵器はトルコがテロリストに、提供したものだということだ。

最近になって出てきたのは、シリアが空爆した後、そこに何者かが、化学兵器を持ち込んで、散布したのではないか、という説だ。いずれが正しいかは分からないが、ロシアにしろ、アメリカにしろ、自国の立場を擁護する説を、立てていることは確かだ。

最近、その化学兵器はサリンだとか、ソロンだとかといった説が、トルコから言われ始めているが、そのことはシリア軍が使用した、という証拠にはなるまい。そもそも、シリア政府は2013年の時点で、全ての化学兵器を放棄しているのであり、そのことは国連が認めているのだ。

もちろん、その後にシリア政府が化学兵器を、再開発したということも、考えられるが、それは採算に合わないのではないのか。しかも、今回のシリア軍攻撃の前の状況は、国際社会がアサド政権の、残留を認める方向で、動いていたし、IS(ISIL)など反政府側テロリストとの戦闘も、有利に運んでいた。

どう考えてもその状況を、不利にするような行動を、シリア政府が採ったとは、思えないのだが。答えは常識による判断が、一番正しいと思うのだが、あなたの常識では、どういう判断になるのか、お聞きしてみたいものだ。