『イスラエルがメガ・プロジェクトでガルフと繋がる』

2017年4月 6日

 

 最近、中東地域を中心にメガ・プロジェクトのプランが、次から次と出てきている。その口火を切ったのはトルコであろう。それは停滞気味の経済を、活性化させることが目的ではないか、と思われる。

 もちろん、経済的に意味がある、という計算に基づいて、これらのメガ・プロジェクトは、提案されているのであろう。今回はイスラエルのイスラエル・カツ運輸大臣が提案した、メガ・プロジェクトだ。

 イスラエル・カツ運輸大臣はイスラエルのハイファ港や、アシュドッド港とヨルダン、そして、サウジアラビアを始めとする、アラブ湾岸をつなぐ鉄道を、建設するというアイデアを、提案したのだ

 イスラエルのハイファやアシュドッドは、述べるまでもなく地中海に面しており、ヨーロッパにつながる港だ。すでにトルコはこれらの港を使って、アラブ湾岸諸国に自国で生産された物資を、大量に送っている。

 この鉄道ができることは、ほかにもメリットがある、第一のメリットはイランの恫喝、ホルムズ海峡の封鎖の被害を受けなくて済むということだ。すべての物資はホルムズを経由しなくとも、アラブ湾岸諸国に届けられ、その逆も可能になるということだ。

 加えて、ヨルダンにはイスラエルとアラブ湾岸諸国の中間に位置し、物流のセンターになれる、というメリットがある、そのことによって、ヨルダンの経済は恩恵を被ることになろう。

また、パレスチナのヨルダン川西岸地区も、この鉄道の完成によって、恩恵を被ることになろう。ヨルダン川西岸地区の主に農産物などの産品も、スムーズにアラブ湾岸諸国に、運べるようになるからだ。

 イスラエル・カツ運輸大臣はこのメリットについて『輸送ルートは短距離になり、より迅速になり、より安価になり、より安全になる。』と語っている。まさにその通りであろう。

 何よりも、この鉄道が完成し、イスラエルもパレスチナも、アラブ湾岸諸国もメリットを得られるようになれば、これらの国々の関係も改善し、和平に一層近づく、

ということだ。そして、この鉄道の完成によって、東の国々と西の国々との距離が短くなる、という事でもあろう。日本にもこのメガ・プロジェクトに参加し、協力できる部分は沢山あろう。世界は大きな夢を見たい時代なのだ