『中東短信トルコ・イラク』

2017年4月 3日

 

 中東からは毎日のように、膨大な数のトピックが、飛び出している。それを選ぶのも大変であり、幾つものレポートを書くのも大変なので、トピックの多い日は、まとめて短信で、ご報告している。

 

:エルドアンまた新しい言葉創る

トルコのエルドアン大統領は、先にバチカンで開催された、ヨーロッパ諸国首脳会議について、痛烈な非難をした。彼に言わせれば、このバチカンで開催されたヨーロッパ首脳会議は『十字軍の会議だ。』というのだ。

これまでも、エルドアン大統領はヨーロッパ諸国に対し、幾つもの新しいキャッチフレーズを創っては、非難してきた。例えば、ドイツについてはナチだと非難し、メルケル首相を激怒させているし、その後には警察犬がトルコ人にかみついたことで『ローマの闘技場のようだ。』と非難している。オランダなどを含め、エルドアンの意に沿わない国に対しては『ファシスト国家だ。』と叫び非難している。

 

:ドイツ262人のトルコ外交官軍人の政治亡命受け入れへ

 ドイツに居住する、262人のトルコの外交官と軍人が、ドイツへの政治亡命を、要請している。彼らは皆FETO(ギュレン・グループ)と関係があるとして、トルコ政府から帰国を、命令されている人たちだ。

 述べるまでもなく、彼らがトルコに帰国すれば、刑務所が待っているということだ。多分現在のドイツ・トルコ関係から想像して、彼らは亡命を受け入れられることになろう。そのことは、ますますドイツとトルコとの関係が、複雑になって行くということだ。

 

:バグダーデイは死か投降か

 イラクのモースルは、イラク最大のIS(ISIL)の拠点だが、そこから63キロ離れたところに、テルアファルという街がある。このテルアファルではつい最近、イラク軍とIS(ISIL)との間で、激戦が展開された。

 IS(ISIL)側は戦車や装甲車を大動員して、この戦闘に備えていたが、ほぼ敗北したようだ。IS(ISIL)側がテルアファルの攻防戦にかけたのは、そこにIS(ISIL)の幹部たちが、多数いたためであろう、と推測されている。

 そのテルアファルには・IS(ISIL)のカリフである・アブーバクル・バグダーデイもいるのではないか、とみられている。このため、イラク軍の幹部はアブーバクル・バグダーデイの最後は近いと語り、『彼はいま戦死するか、あるいは投降するかの、二者択一に追い込まれている。』ということのようだ。