『エジプト最後のユダヤ人たち』

2017年3月27日

 

エジプトはこれまでに、イスラエルとの間で4度の戦争を、経験してきている。それらの戦争で犠牲になった、エジプト国民の数はおびただしいものであろう。スエズ運河に隣接するポート・サイドなどの街は、壊滅的な打撃も受けた。

しかし、そのような悲劇の歴史があるにもかかわらず、エジプトで暮らすユダヤ人たちの安全は、守られてきたし、彼らの教会シナゴーグも、現存している。エジプトにあるシナゴーグの数は、

121ダース前後)と言われている。

それらは相当老朽化しており、アレキサンドリアのシナゴーグは、屋根の一部が崩壊しているとのことだ。エジプト政府は最近になり、その修復をすると発表している。

しかも、今ではユダヤ人の数が激減したことと、在留ユダヤ人が老齢に達していることもあり、シナゴーグに集まって礼拝をする人たちの数は、極めて少数だということだ。

20世紀の半ばまでは、8万人から12万人のユダヤ人が、エジプトに居住していた。しかし、度重なるエジプトとイスラエルとの戦争(中東戦争)のなかで,くのエジプト在住のユダヤ人たちは,イスラエルに移住していったのだ。それはイスラエル政府の,強い呼びかけがあったからでもあったろう。

彼らエジプトに居住するユダヤ人たちは、貿易業に従事し、映画製作をし、映画俳優をし、歌手や音楽家をしていたのであった。たとえばエジプトで最も人気の集めた、レイラ・ムラードはユダヤ人女優だったのだ。

現在エジプトには18人のユダヤ人が居住していると思われるが、そのうちの12人はアレキサンドリアに居住している。

彼ら(大半は老女たちだが)はエジプトのユダヤ人の文化を維持し、次世代に残したいと望んでいる。それはそうであろう、エジプトに住むユダヤ人は、はるか5000年以上も遡る、ファラオの王の時代からいるのだから。