『中東重要な短信』

2017年3月16日

 

:トルコ与党幹部ドイツ・オランダに感謝

 トルコ与党AKPの幹部議員である、フセイン・コジャブユク氏はドイツとオランダ政府に、感謝の気持ちを述べた。現状のドイツ・トルコ関係にしろ、オランダ・トルコ関係にしろ、トルコから感謝の言葉など、出て来ないはずなのだが、どうしたことであろうか。

 実はドイツやオランダが、トルコ閣僚による新憲法支持集会を、禁止したことで、在外トルコ人が激高したというのだ。その結果、彼らは新憲法投票で、与党AKPの進めようとしている、憲法改正にイエスの投票を、するようになっている、という事のようだ。

 その票の増加の割合は、2パーセント程度だろう、と与党AKPは読んでいるようだ。こうしたトルコ人の感情を、逆なでするような、ドイツやオランダの動きは、トルコ人の民族意識を、煽ることになるのが普通だ。

 なかでも、トルコの家族社会大臣のファトマ・ベツール女史の、オランダによる国外追放は、彼女に対する同情を誘い、トルコの威信を傷つけるものだ、という意識がトルコ人の間で、広がったようだ。世の中思ったようにはいかないのが常だ、という事であろうか。

PFLPが選挙ボイコット

 パレスチナ解放機構の、主要メンバー組織であるPFLPが、5月に行われるパレスチナ選挙を、ボイコットすることを決定した。これはラマッラで起こった、デモに対するパレスチナ自治政府の、治安対応が厳しすぎたことに対する、怒りからだ。

 PFLPと同様に、ハマースやイスラム・ジハードも、投票ボイコットを決めている。こうなると、マハムード・アッバース議長に対する反発も、パレスチナ人の間で広がって行く可能性が、あるという事であろう。既に、ラジューブ氏が彼の後釜として、名乗りを上げたようだ。

:トルコ農産物ロシアの制裁で425億ドルの損失

 ロシア政府がいまだに解除していない、トルコの農産物に対する制裁が、トルコの農業部門を、苦しい状況に追い込んでいる。このことによって、トルコの農業部門が受けた損失は、425億ドルと見積もられている。

 ロシア政府は最近、玉ねぎ、ガム、カリフラワー、ブロッコリー、香料などは制裁を解除したが、トマトやブドウはいまだに、制裁の対象になっている。しかし、マンダリン、オレンジ、アプリコット、桃、スモモなどは、制裁対象リストから、除外された。

:トルコの失業率127パーセントに

 トルコの失業率はついに、127パーセントに達した。この数値は過去7年のなかで、最高の数値なのだ。315日の時点で、19パーセント上昇したことに、よるものだ。なお青年層の失業率は、24パーセントに達している。