ロシアとトルコとの外交関係は、現段階では全く問題がないようだ。近くトルコのエルドアン大統領がロシアを訪問するが、ヨーロッパ諸国とは異なり、何の問題も無いばかりか、ロシア側はエルドアン大統領訪問時には、ヨーロッパとは異なり、最高のもてなしをすると事前に発表している。
しかし、ロシアのトルコとの貿易には、いまだに制約があるようだ。2016年初以来続いている、ロシア側のトルコ農産品輸入に対する、制裁がいまだに効力を、発揮しているのだ。
その理由は、植物衛生上の問題という事のようだが、トルコ側からそれまで輸入が認められていた、多くの農産品がいまでは輸出出来なくなっているのだ。例えば、イエロー・オニオン、一部フルーツ、七面鳥、鶏、塩、ベル・ペッパー、ターキッシュ・ピンク、ザクロ、オバジンといったものが輸入禁止品目だ。
ブロッコリーやカリフラワー、カーネーションもそうであったが、これらの品物は輸入が解禁になったようだ。
トルコにとっては、農産品は主要輸出品目であり、それが輸出不可能となることは、関係業者にとっては死活問題であり、政府にとっては外貨獲得が出来なくなる、という大問題なのだ。
ロシアのトルコ農産物に対する輸入規制は、単純に農産品の衛生上の、問題なのであろうか。そこにはいまだに、ロシアがトルコを恨んでいることによる、政治的な意味合いがあると思えてならない。(ロシアの戦闘機がトルコの戦闘機に、撃墜されるという事が起こっている)
トルコはいま、外貨の獲得が大問題になっており、エルドアン大統領は国民に対して、手持ちの外貨をトルコ・リラに交換するよう、呼びかけもした。しかし、そのことは、トルコ・リラの暴落を生んでいる。一時期は戻りかけたと思われたトルコ・リラは、最近では3・75レベルにまで、再度交換レートを下げているのだ。
もとは1ドルに対して3リラ程度だったものが、いまでは3・7リラ程度だという事は、大幅な落ち込みと言わざるを得まい。一時期戻ったのは、あくまでも投機家による、トルコ・リラ安買い狙いであったものと思われる。
ロシアが今後も、トルコからの農産品の輸入に、規制をかければ、ますますトルコ経済は悪化する、という事であろう。加えて、ロシアからの観光客が減ることも、相当厳しい状況を、トルコ経済に生み出そう。
せっかく復活し始めたトルコ観光は、先日のトルコのヘリ墜落で、多数のロシア人が死亡していることから、あまり期待できないのではないのか。その事故の前には、確かカッパドキアの熱気球が、落ちてもいるのだ。