『トランプは中東問題解決で歴史に名を残したいのか』

2017年3月11日

*これは単なる私の妄想かもしれないが、最近の中東問題(パレスチナ・イスラエル問題)に、何らかの進展が見られるのではないか、と感じている。特にアメリカのトランプ大統領サイドの動きが、それを感じさせる。*

トランプ大統領はイスラエル贔屓だ、という評価が固まっているが、それは中東問題を解決するためには、極めて好都合なことであろう。弱者の立場にある(?)と感じているイスラエルは、敵対的な人物が仲介しても、動きはしないだろう。*

トランプ大統領については、彼の娘の夫がユダヤ人だ、ということもよく知られている。しかし、ユダヤ人は必ずしも大ユダヤ主義者(ナイル川からユーフラテス川までの土地を、イスラエルとするという考え)ばかりではない。*

一部のユダヤ人たちは、イスラエル国家を設立することは、神の意向に背く行為、とみなしているし、アラブとの平和な共存を、望んでいる者も少なくないのだ。私が知っているイスラエル人は、元ガザのミリタリー・ガバナーだった人だが、彼はアラブ人との平和な共存を、望んでいる一人だった。*

トランプ大統領が誕生すると、彼は『二国家設立』による中東問題の解決を主張している。つまり、イスラエルとパレスチナを設立することによって、問題を解決したいということだ。彼はまた、イスラエルによるヨルダン川西岸地区での、入植地拡大にも反対してもいる。*

彼が二国家による解決を語った後、イギリス政府も同じように、二国家の設立による問題の解決を、主張し始めている。それはジョンソン外相が口にしている。また、イギリスの皇室が近くイスラエルを、訪問するという情報もある。トランプ大統領はパレスチナ自治政府のマハムード・アッバース議長を、ホワイトハウスに招待してもいるのだ。

加えて、アメリカの意向に100パーセント沿った、外交を展開する日本政府も二国家設立による、問題解決を主張している。これらは、何らかの意見の調整が、アメリカとイギリス・日本との間で、動いているということでは、ないのだろうか。*

もし、中東問題を解決しなければ、それを口実にイスラム原理主義者たちの、主張がムスリム世界に広がり、平和は実現しないだろうし、中東諸国は不安定化へと、向かうだろう。*

イスラエルがいまのままで入植地を、ヨルダン川西岸地区で拡大していけば、やがてはパレスチナ住民による、大爆発が起ころう。それはイスラエル国家の維持を、不安にしよう。だからこそトランプ大統領は、妥協による中東問題の解決を、進めようとしているのではないだろうか。もしそれが実現すれば、トランプ大統領は世界史に名を残すことになろう。*

イスラエル擁護は、必ずしも頑迷なまでにイスラエルを、強者の立場に立たせ、弾圧によるパレスチナ人の支配を、拡大することではあるまい。トランプ大統領は初めてイスラエルの抱える、問題について真の現実的な対応を、言い始めているのではないだろうか。そうあって欲しいものだ。*