中東からは重要だと思われるが、詳細の記されていない情報が、伝わってきている。それはイラン・パレスチナ・IS(ISIL)に関わる情報だ。
:イランのハメネイ師ハタミ元大統領と会談
過去6年ほどの長きに渡って、連絡が断たれていたハメネイ師と、ハタミ元大統領が会談することになった。ハタミ元大統領は穏健派、開明派過ぎたとして、ハメネイ師の覚えがよろしくなかったことが、主な原因だった。
この時期に、ハメネイ師がハタミ元大統領と、会談をすることになったのは、イラン国内の権力闘争が、激化してきているからではないのか。述べるまでもなく、そうした不安定な政治状況のなかでは、革命防衛隊が必要以上に、力を得てきている。彼らには軍事力があるのだから、無理からぬことだ。
そして、近く行われるイラン大統領選挙に向けて、現在のロウハーニ大統領の再立候補に加え、革命防衛隊からも立候補者が、出るのではないか、と言われている。もし、そういうことになれば、次第にハメネイ師は象徴としての意味しか、持たなくなる可能性があろう。そこで、ハメネイ師は自分の保身のために、穏健派のハタミ元大統領との関係を、修復することを考え始めているのかもしれない。
:ファタハ幹部J・ラジューブカイロ空港で入国拒否
パレスチナ解放機構ファタハの大幹部である、ジブリール・ラジューブ氏の入国が、エジプトのカイロ空港で拒否された。常識的にはありえないことなのだが、それが起こったのだ。
これについては、種々の解説が事情通らによって、行われるであろうが、それは表向きの理由であろう。最大の原因と考えられるのは、パレスチナ国家をめぐり、2国家制にするのか、1国家にするのかという事が、大きな問題になっている。
ネタニヤフ首相は1国家制を、希望しているようであり、しかも、アメリカ大使館のエルサレム移転を、強く希望している。これに対し、パレスチナ政府のアッバース議長は、エルサレムへのアメリカ大使館の移転は、パレスチナ国家の設立を不可能にする、と騒ぎ立てている。もちろん、彼は2国家制を主張してもいる。
そうした難しい時期に、カイロがファタハの幹部を、受け入れるという事は、要らぬ憶測を呼ぶということから、今回は入国を拒否したのかもしれない。
:バグダーデイの実質敗北宣言
IS(ISIL)のトップであるアブーバクル・バグダーデイが実質的な敗北宣言をした。彼はIS(ISIL)のメンバーたちに対して、自国へ帰るように勧め、あるいは自爆攻撃しろと語っている。
現在IS(ISIL)の幹部たちは、イラクとシリアの国境沿いを、移動しながら敵側の攻撃から逃れているようだ。こうした最悪の状況は、テルアファルとニノイの戦闘の敗北の後、明確になったようだ。