トルコが明日にでもシリアの要衝を落とし、北部シリアを支配する、という情報が流れているが、これを真っ向から否定する、情報が流れ始めている。その説によれば、トルコ軍がシリアのアルバーブを陥落させるのは、非常に近いというのだが、実際にはそうではないというのだ。
アルバーブを陥落させた後、トルコ軍はマンビジュを陥落し、ラッカを最終的に落とす予定なのだが、実際はどうなのであろうか。この説を唱える者の言うところによれば、トルコ軍がアルバーブをほぼ制圧した、というのは嘘で、未だに90パーセントはIS(ISIL)が、支配しているということのようだ。
確かに、トルコ軍の空爆で、アルバーブでは60人が犠牲になっているが、それがトルコ軍の勝利を示すものではない、ということだ。それとは逆に、何のカバーも無く放置されている、トルコ軍の戦車などは、IS(ISIL)側のミサイル攻撃で、破壊されまくっているというのだ。
このため、トルコ軍と協力してIS(ISIL)と戦っている、FSA(自由シリア軍)は戦闘意欲を無くし、戦闘の継続を拒否しているということだ。こうしたなかで、トルコ軍兵士64人が死亡し、386人が負傷した、という情報が流れている。
トルコ軍が苦戦しているのはほぼ確かなのであろう。トルコ政府はシリア内部のトルコ軍を強化すべく、5000人を増派する計画だ。
トルコ軍が今苦戦しているには幾つかの理由が挙げられている。それらの理由は以下のようなことだ。
:サプライラインが伸びすぎた。
:戦闘機1機に対し熟練したパイロットは0・4人しかいない。
:パイロットの養成には10年が必要。
:NATOはトルコ軍に協力する意志が無い。
:トルコ政府には明確な終戦の計画が無く、日々の単位でしか考えていない。
:シリア政府は正式に、トルコ軍の介入を拒否している。
:イランやロシアは、トルコと共闘するつもりは無い。
こうした状態では、トルコ軍のシリアにおける勝利は、考えられないし、マンビジュやラッカでの勝利などはもちろん、ありえないことだ。もし、この情報が正確だとすれば、トルコのシリア介入は、やがてはエルドアン体制にとって、大きな負担になる、ということではないのか。