『アラブ諸国欧米露がリビアに介入意向』

2017年2月21日

 

 リビアは砂漠の花嫁なのであろうか。内戦で相当に街は破壊され、瓦礫の下になったが、多くの国々がこの国の持つ可能性に、食指を伸ばし始めている。エジプト、チュニジア、アルジェリアといった北アフリカのアラブ諸国は何とか内戦をおさまらせよう、と努力している。

 しかし、リビアのネオ・ストロング・マンであるハフタル将軍が、統一リビア政府のセラジ首相と、対話する気が無いので、なかなか然るべき成果は生まれないでいる。エジプトは先日、セラジ首相と、このハフタル将軍の仲介を、試みたのだが、恥をかく結果となっている。

 加えて、最近はロシアが仲介役に登場する、雰囲気になって来ている。それはハフタル将軍とロシアとの関係が良好だからだ。トリポリの統一リビア政府のセラジ首相は、ロシアのリビア問題解決への支援を期待し、コンタクトを取り始めている。ロシア政府もセラジ首相の、モスクワ訪問受け入れ意志を、明らかにしている。

 チュニジアも同様に、アルジェリアやエジプトに声をかけ、3月にはリビア会議を開催する予定になっている。果たして、ハフタル将軍はその会議に、参加するか疑問だ。エジプトが開催した際に、ハフタル将軍はカイロを訪問しているが、それはエジプト政府がハフタル将軍の属す、東リビア政府[トブルク]を支援しているからであろう。

 アメリカやフランス、イタリアも手を出してはいるのだが、未だに決定的な成果は、挙げていない。敢えて言えば、シルテからIS(ISIL)を追放する作戦で、アメリカが本土から爆撃機を飛ばして、空爆支援したことであろう。それはそれなりの成果を挙げ、IS(ISIL)はシルテから追い出されている。 

 そうは言っても、リビアの内戦状態がだいぶ終わりに近づいたから、各国がリビア問題に、首を突っ込んでいるのであろう。そうしたなかで、トリポリのセラジ首相公邸のそばで、彼に対する暗殺未遂事件が起こった。

 犯人はトリポリに拠点を置く、リビア国民救済政府(グエールなるテロの親玉がトップ)のメンバーだった。このグエールについては、無知で乱暴な男というのが、私のリビア人の友人の評価だったが、確かに彼の顔からは、知性も品性も感じられない。